第3話 青い炎
夜の12時、
仕事が終わり騎士の皆はもう就寝した頃、
ニグリスは1人でこっそりと寮を出て行った。
フードをかぶり口元まで隠れるローブを着ていた。
腰には短剣をさしていて騎士の仕事の時には使わないような剣だった。
ニグリスは夜道を1人で歩いていた。
すると誰かの話し声が聞こえてきた
「なぁ、なんでこれくらいしか金持ってきてねぇの?50はもってこいっつったろぉ?」
「す…すみませ…」
そこには威勢のいい男と気弱な男がいた。
ニグリスは迷わずその男達に近づいた
「…あ"ぁ?んだテメェ…あっち行け!」
威勢のいい男はニグリスの肩を押してどこか行くように指図した。
「…」
ニグリスは無言で威勢のいい男の喉元を腰にさしていた短剣で切り、声が出ないようにした後、青い炎を使い、その男を骨にした。
男は絶命した。
気弱な男は腰を抜かし小刻みに震えていた。
「…帰れ。」
「…ぁ………」
「…ここで見たことは誰にも言わず大人しく黙っていろ。俺は悪人以外はヤりたくない。」
「……は、い……………」
ニグリスは真顔でそう男に言い残し、その場を去っていった。初めて人を殺したのに今までやってきたかのようだった。
ニグリスは一夜にして同じ方法で他に5人もの悪人を燃やしていった。
寮に戻ったのは3時だった。返り血で汚れていた服と体を綺麗にしたあと、どっと疲労が襲ってきて、すぐに眠ってしまった。しかし翌日からも騎士の仕事があるため6時には起きていた。
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ニグリスが朝、騎士団に行くとなんだかざわついていた。するとルナが近づいてきた。
「ニグリスっ!」
「どうかしましたか?」
ニグリスはいつも通りだった。いつも通り微笑んで返事をしていた。
「昨日の深夜…6人の人が殺されたの。」
「!?それは一体どういうことですか?」
「私も詳細は詳しく知らないんだけど…全く同じ方法で、死体が色々な場所から発見されたらしいの…」
「…そうですか。」
「しかも……その死体は、燃やされていて…骨だけだったの。」
「…炎魔法、ですかね」
「あ、流石にニグリスじゃないのはわかってるから安心してね。」
すると騎士団長が現れ、声を張って言った。
「もうすでに昨夜のことは噂で耳にしていると思う。それは民間人も同様だ。一夜でこれだけの人が死んでしまったのは初めてだ…だからこそ、大事にしてはいけない。民間人を不安にさせてしまう可能性がある。だから、いつも通りをすごしてくれ。何も悟られないように、一部の人からこの事件の事を聞かれるとは思うがうまくやってほしい。以上、この事件のことはこちらで色々調べるからそれまで少し待っていてくれ。」
騎士団長はそう言い残しニグリスの方へ歩いてきた。
「ニグリス、ルナ、君たちには伝えておこうと思う。ここではあれだから、団長室に行こう。」
ニグリスとルナは頷きアルヴァンについて行った。
ー団長室にてー
「この事件、とても恐ろしいということはわかっているね。」
「はい…それはもう…今世紀最大の殺人事件です…!」
「うん、そうだね。そして、この被害者6名には共通点がある。それは全員が悪行を働いていたことだ。」
「「!?」」
「どうやってかは知らないけど犯人はどこからかこの情報を掴んでいた可能性がある。目撃情報も皆無だ。でもたった1人だけ知っている人がいたんだ。でも多くは語らずにただ一つだけ…青い光だったと。」
「青い光…?確か被害者は皆焼死体だったんですよね?まさか…青い…炎?」
「…そうだと思う。この事は…口外しないでくれ。君達だけにしか言わない。これは一つの信頼だ。頼んでもいいかい?」
2人は同時に返事をしていつも通りの仕事をこなしに行った。そして団長室に残ったアルヴァンはぼそっとつぶやいた。
「さて…どうしようか、これから。」
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