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概要
秒読みサウンドウォーク—川崎駅前、喉が鳴る夜—
2025年8月の夜、川崎駅前。生放送番組「星空サウンドウォーク」は本番中に回線が途切れる。ディレクター慎也は即断で進行を切り替え、スタジオの小物と現地の環境音を組み合わせて“音だけで街を歩かせる”方針を採る。新人パーソナリティ莉愛は、氷袋のきらめきや紙袋の擦れを言葉で補助しつつ、迷い猫「コロ」の喉音に出会い、黙る時間をあえて挟んで“音が語る瞬間”を成立させる。サブの幸輝は復旧手順を回しながら疑問を即時に言語化して穴を塞ぎ、音響の里帆は紙やすりで値札の揺れを作り、氷で温度差を立ち上げ、定位とレベルで空気を整える。回線が戻る頃には、耳で歩く散策が番組そのものになっていた。笑いは軽く、臨場感は濃く。言葉は音のあとを丁寧に歩く。
――“氷のシャリ、たい焼きの泡、猫の喉”。三つの音で夏の終わりを届
――“氷のシャリ、たい焼きの泡、猫の喉”。三つの音で夏の終わりを届
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