31 機械精の逆襲・ギガントスレイヤー
雨で
自分を刺したあの野郎が公園で女を刺し殺したあと、その女にそっくりな女にボコボコにされるのを、ギーギは痛快な気分で見ていた。
「あれは元の世界にもいたヤバいやつらだな」
ノルの姿を見て、ギーギは直感的に気付いた。
しばらく見ていると自分を刺したあの野郎は金網にめり込んで動けなくなっていた、いい気味だ。
めちゃくちゃ強いヤバい女が、殺された女の死体を木に変えるのをギーギは驚いて見ていた。
「オレらのしきたりを守ってるなんて、いい奴だな」とギーギは呟いた。
強くていい奴が立ち去るのをじっと待つと、ギーギはゆっくりと公園に入り、目当ての物を見つける為、辺りを見渡した。
泥の中に雨に打たれて、それはあった。
「おい」
フェンスにめり込んだ野郎に声を掛ける。
うつ向いていた野郎はガクガク首を震わせてギーギの方を向いた。涙と泥でぐしゃぐしゃの顔だがギーギはこいつをこれっぽっちもかわいそうとは思わなかった。
「おい」
もう一度声をかける。
ギーギの姿を見て驚いて何か言っているようだが声が出ていない。まだあの魔女の魔法が効いているようだ。
まあ、どうでもいい。
公園で拾ったそれを両手に持ってギーギは言った。
「ノーノを殺しやがって」
それはギーギには余りに大きかったが両手にしっかり握ってゆっくりと野郎の心臓に突き立てた。それはシャツをあっさりと突き破り皮膚から筋肉へとぬるりと入り込んでいった。心臓に当たり少しの抵抗を感じたが、ギーギが構わずそのままそれを押し込むと《プツンッ》とした手応えと共に奥まで突き刺さった。
口を大きく開けて叫んでいるように見えるが野郎の声は何も聞こえない。
「それから、こうしたんだよな」
心臓に突き立てた肥田の刀〈
「
ギーギはレベル11になった。
✣ ✣ ✣
数日後、肥田真司の持っていた刀〈大和守安定〉をギーギは少し改良していた。白鞘の木柄は取り外し、拾った金属片や金属棒を加工して自分の手にあった柄に作り変え取り付けていた。刀身はあまりに長いため切り落として縮めたが、それでもギーギの身長を超える大きさだった。魔法使いとは言え、
「ギッ、いつか、あの人の役に立てればな」
ギーギはノーノと自分の仇を取ってくれたノルに恩義を感じ、一方的に好意を持っていた。
「オレも強くならないと」
希望に胸を膨らませた
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