第5話
その日も仕事は忙しかった
皆んなで遅めの昼食を食べていると、ルースが何か思い出したかのように突然言った
「そろそろ結婚式するのはどうかな?」
僕は笑った
メアリーも笑っていた
反対する理由が無かった
何も考えなかった訳じゃ無いけど、父と母に手紙を出す事にした
すぐに返事が来た
喜んで出席してくれるとの事だった
仕事の合間に、休みの日に、色んな話しや準備をした
とても幸せな時間だった
結婚式の前日、父と母が街へやって来た
近くの宿に泊まるよう手配をしていて、皆んな揃って夕食を食べた
母はとても喜んで、少し泣いていた
それを見て、メアリーも泣いていた
「ありがとう母さん」
僕は笑った
結婚式の前日もあっという間だったけれど、当日はもっと早かった
メアリーはとても綺麗だった
皆んなで歩いて、教会に行った
友人達はもう酒を呑んでいて、沢山笑っていた
教会で愛を誓った
フラワーシャワーも沢山浴びた
皆んな笑顔で、おめでとうと言ってくれた
僕もメアリーも、沢山お礼を言った
結婚式が終わると、皆んなでご馳走を食べた
ルースが珍しいお酒やフルーツなど、色んな準備をしていてくれた
皆んな喜んで、沢山食べて呑んだ
ずっと、ずっと笑っていた
こんなに一日中、笑っていた日は今まで無かった
一日の終わりに、僕は言った
「ありがとう、これからもよろしく」
彼女も言った
「ありがとう、こちらこそよろしく」
笑い疲れて、クタクタになって2人で眠りについた
長い長い、幸せな一日だった
次の日の朝、メアリーは言った
「お父さんとお母さんに街に住んでもらうのはどう?」
僕はすぐに答えられなかった
優しい声が続けた
「今すぐじゃ無くて、これから先に困る事になるかも知れないから」
家族を心配してくれているとすぐに分かった
でも、すぐには答えられなかった
「ゆっくり考えて」
朝食の準備をする為、メアリーは部屋を出て行った
階段を降りて行く、足音が聞こえた
結婚式の翌日は、バルを休みにしてくれた
ルースはなかなか起きて来なかった
僕達はゆっくり一日を過ごす事が出来た
バルが営業になると、いつもの日常が始まった
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