第22話 Black Cinderella
「ヤミ総隊長!?」
天が目を見開く、天はヤミの存在を知ってはいたが姿を見た事がない
完全に見た目は悪役だ
「龍希くん!!!!」
喉が一瞬で枯れると思うかのような大声で呼びかけるが龍希は首が落ちている、もちろんのこと聞こえない
「いや……聞こえている!!!!」
龍希の首からは血は出ていない、だが断面は人間そのもの
「龍希……お前はなんなんだ」
一命を取り留めた六連が言う、顔が引つる
(こんな規格外な人間見た事がない……いや、人間なのか?機会なのかも人間なのかも分からない……)
「お前は!!なんなんだ!!田守龍希!!」
落ちた首からとは思えない声を出す
「お前には言うつもりは無い!!!聞く前にお前は死ぬんだ!!!!!」
たとえどんな目的だろうが、誤解をとけば味方になろうが、ヤミを洗脳し兵器として利用した時点で考えは固まっていた
「お前を……殺す!!!!」
龍希の首は動かないが、体だけが動く、機神化のさらに上、機獣神化のさらに上の人間には到底到達しえない規格外の存在
「龍希はやっぱりそうだと思ってた」
ヤミの口が開く
「は?おいおい!!!!お前もなんなんだよぉ!」
ヤミは洗脳にかけられてはいなかった、ふりなのか、果たしてこの瞬間に洗脳が解けたのか。
「クソクソクソクソ!!!!
せっかく本拠点で作った洗脳装置でエネルギーを蓄えてやっと成功品が作れたのに!」
ペラペラと口走りだした、予想通りだ
「成功品?」
「あぁそうだよ成功品だよ!!!やっとヤミ君という成功品が完成したぁ!ケンイチも天も失敗作……ゴミでしか無かった!!」
ケンイチ……?
「天さんを失敗作?ふざけるなよ蛆虫がぁ!!!」
するとそのタイミングでやってきたふたりがいた
「何……この状況は?ヤミ総隊長がいる!?」
「あれがヤミ総隊長ですか……首が取れてる!?なんですかあれは!?」
来たのはクロとエレキだった、その光景は口で説明するには情報が多すぎた。
謎に帰ってきているヤミ、首が取れたまま体が動く龍希。敵だった天が六連の胸に刀を突き刺している状況。
「…………雄一郎が来た……俺たちの勝ちだ!!!」
龍希は確信した、クロが来たということは雄一郎がどこかに潜んでいる。
たとへこの状況が変わろうと数は圧倒的な有利になる、俺たちの勝ちだと確信した。
「……何?雄一郎だと!?そいつは死んだんじゃなかったのかよォ!ケンイチ!」
は?困惑が頭に広がる
「ケンイチの報告によると殺したと言った!おそらくだとは言っていたが信じていたのに!!」
は?は?殺された、嘘だ嘘だ。六連も裏切られた報告だ、確実にデタラメに過ぎない
「デタラメだろ!!!!クロ!」
龍希がクロに叫び話しかけるとクロは涙を流し始めた
「………………雄一郎はもう来ないよ…………」
「……嘘だろ?」
その場にいた三空も、29人のシルバ軍もその場に倒れ込み涙を流す人もいた。
シルバ軍最大の兵器。No.1仙波雄一郎が死んだ
「ハッハッハ!!!やはりケンイチは素晴らしかった!失敗作のくせによくやったもんだ!!!!!」
誰が死ぬかって?
「え!!?」「おいマジか!?」
みながざわつく中六連歌1番のざわつきを見せた
「嘘だろおいおい!!!ケンイチ信じてたんだ……ぞ……!?」
突然空に現れたことに何も違和感を感じなかったのは元々化け物だったからなのか、それとも微かに信じていたからなのか
「貴方様は偉大だ……やはり期待を裏切らない!」
雄一郎の後ろには資格になりちょうど見えなかったが1人の女がたっていた
当たり前かのように空に立っていた、そのオーラに押し潰されそうな、
いや
「押しつぶされる……!?」
龍希も天も三空もクロもエレキも、六連さへその場にひれ伏すかのようにオーラに耐えきれずに地面と一体となっていた。
その状態を利用し首を体に引っつける。これで龍希は元通りだ。
「呆けているのか?」
その一言は、言霊は実際にあると確信させた
その言葉だけで下級シルバ軍戦士が死んだ。
その場に倒れ込んだ、その言葉のオーラだけで、弾圧だけで身を押し潰された。
「……ぐぁっ!!!」
何とか生きていたのは数少なかった。
龍希、ヤミ、天、三空、クロ、エレキ、六連だけだった。
その場の心音は少なくなる。
六連は大きく飛びその女の近くへと擦り寄る
「何をしている?」
え?
その言葉を聞く前に女にその姿を血肉へと変えられた。
その同時のように体を再生させ元に戻す、地獄を見たかのような顔をした。
「あ…………あ……」
時空移動装置へと押し戻され、その場には死体を操られている雄一郎とその他シルバ軍の他に1人の灰色の瞳をしており光が失われた女王がそこにはいた。
「頭が高いな」
空気を切り裂く斬撃が繰り出された
「……!?エレキさん!!」
クロが叫ぶとみなが視線を集中させた、灰色の女王だけは目にハイライトも入れずにじっと龍希の姿を見ていた。
エレキの顔の上半分は消えていた、空気を切り裂く斬撃に持っていかれたのだ。
エレキ。死亡
「お前は…………何者だ」
「……」
少し考えた後に口を開いた
「Black Cinderella。ルーヴルだ」
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