第21話 Beautiful starLight
「はぁ……はぁ……」
龍希の顔には切れて血が出ている箇所が何ヶ所も、足には青アザができる
龍希は六連を睨みつける。六連の姿は機獣神化している。
「なんだお前……バケモンかよ。汗ひとつくらいかけよォ!!!!」
六連はニヤッと不敵な笑みをうかべた後に、長々と話し出す。
まるで何かを待っているように……
「ひとつ話しをしないか、田守龍希くん。」
龍希も今は頭が回らなかった、時間稼ぎだろうが、回復の時間が手に入るのは龍希には高得点の時間だった
「僕らの目的を知らずに殺そうとしているのではないか?」
「あ?」
確かに、不覚ながらも確かにと思ってしまったのだ。
俺らシルバ軍からしては【突然襲ってきた為、仲間を殺された為、復讐のために戦っている】としかなっていない。
現に俺らは大きな戦争をしている。シルバ軍と六連含んだ複数の敵。
「僕たちの目的は一つさ、『時空を破壊する』。それだけが目的なのだ。」
「時空を破壊する?何言ってるんだお前」
「こんな世界はおかしいと思わないか?なんで突然訳の分からぬ化け物が出てきたと思ったら地球を破壊される?ふざけるな」
なんだって?こいつらは地球がこんなことになってしまったから時空を破壊する?
かなり極端な選択だが言ってしまえば復讐だ、てっきり俺たちはこいつらがSilvervoidoを作り出していたのでは無かったのか
「お前らがSilvervoidoを作り出していたのでは無かったのか?」
「はぁ?なんだそのシルバーなんちゃらって、俺たちがあんなバケモン作り出すわけが無いだろ」
こいつらSilvervoidoのことも知らないのか、元とはいえ政府の人間。上に付くものなら知っているはずではないのか
「僕たちは、この腐った世界を破壊する!!この時空ごと破壊してやるのだよ」
1度話を整理しよう
俺たちシルバ軍はこの俺である「田守龍希」が何故かシルバの能力を発現したことにより政府へと呼び出された。
そこで「新馬六連」が突然襲いかかり1度瀕死になったがなんとか生存。
新馬六連含む一行が敵陣営と考え交戦を開始した。
俺たちシルバ軍は六連達敵陣営がSilvervoidoを生み出して世界を終わらせ支配でもするつもりかと思っていたが、先程の発言により三角関係の話になりそうだ。
「シルバ軍」「六連敵陣営」「謎の人物」
この三角形の関係が続くのであればかなり厳しい戦況だ。
何とか誤解を解き2対1の関係にすれば話は変わるだろう。
だが本当に謎の人物がいるかも可能性の中の話に過ぎない、そんな中で仲間に引き込むべきなのか、なんにせよ話し合いは必ず必要になる。
「俺はお前たちと話がしたい、俺だけじゃなく俺たち全員がな」
「何を言うか!?」
「俺たちはお前らの目的を見誤っていた!!目的が考えていたのと違うなら俺たちが敵対する必要は無い!」
六連の頭には血管が浮き出ており怒り心頭なのが見て取れる。
「ふざけるなよクソが!!!誰がお前らの口車に乗せられるかよ!」
この話でわかった、あいつは嘘をついている訳でもないし操られている訳でもない。
「もうどうでもいい!お前と話をしようとした私が愚かだった!」
すると六連は時空移動装置を自身の体の後ろに三角形状に3つ出す
すぐさま時空移動装置から30本ほどの槍の束のようなものが先端を表にし、牙を剥く。
龍希は収めていた状態をすぐさま解放し機神化し腕を回したと思うと風を使い縦のような横上の竜巻を発生させる
「オラッ!!!!」
六連が槍を龍希に向けて放つと縦を貫通することはなく弾き飛ばされる。
「チッ!」
六連が舌打ちをすると地面を強く蹴り殴り合いの接近戦へと持ち込む。
「……!?これはまずいな」
六連が龍希の範囲内に入ったと思えば結界が張られた。
この結界は強さ、耐久力もないが、壊そうと思うと
「くっそ!!」
(至近距離すぎて隙がない……結界を破壊して逃げようと背中を見せた時点で)
死ぬ!!!!産毛から毛細血管に至るまでに死を確信する!!
「オラオラっ!!何をしているんだ?」
殴り合い防ぎ愛の攻防戦が続く、1秒に5回は殴り、5回は防いでいる
───30分後───
殴り合いの攻防戦が繰り広げられて30分が経過した、汗は滝のように流れ出ており
周りにはまるでギャラリーかのように人が集まる。
一般人は避難したあとなので、集まるのは下級戦士のシルバ軍などがほとんど、そこには三空の姿もあった。
「ほらほらどうだぁ?体力がなくなってきたんじゃないか?」
図星だった、たとへ機神化しているとはいえ体力は底を尽きかけている。
殴られたあとが両腕に青アザが大量に付いている。
「……なっ!?」
俺の機神化が解けた、一瞬の余裕が出来た。すると、六連の腕が腹に貫かれていた。
「グハッっ……!!?」
ざわめく、ギャラリーの人間30人ほどが一瞬にして絶望の顔に変わる。
「龍希隊長!!!!」「龍希さん!」
三空が叫ぶ、
「龍希!!!!!!」
俺はその場に倒れ込む。意識が遠のく、だがまだ生きている!生きているんだ!
「まだぁ!!!!」
「なんだと!?」
ギギギと壊れた扉のように、少し少しと膝に腕を付いて立ち上がる
「俺の心臓は生きている!!まだ終わっちゃいないぞ!!!」
すると腹に空いた傷口がどんどん塞がっていく、その姿は機神化ではなく、さらに上の段階へとたどり着いた
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
力いっぱい。精一杯叫んだと思うと腕に筋肉が付く、足にも筋肉が付く。
「なんだ、なんなのだお前は!!!!!なんでこのタイミングで」
(いやそうだった、さっきも天と共に機神化した)
「……!?天はどこに!?」
「遅せぇよ」
天が心臓に刀を突き刺し貫通する。
その瞬間に龍希が首を切りに差しかかる
「俺たちは崩れねぇぇぇ!!!諦めねぇんだよ!!!!」
すると
グオォン
「……!?」
鈍い音が頭の後ろから聞こえた。
振り返る隙もなく俺の首が飛んだ。
「何……あれ?」
三空の他に29人がその姿を確認した。
突如現れた巨大な時空移動装置から2人の少女、1人の大人の女が姿を現した
そのうちの一人は
「ヤミ総隊長!!!!何をしているのですか!!!!!????」
龍希の首を切り落としたのは他ならぬ田守龍希のSilver Variation
────ヤミであった。
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