第14話 三空
龍希の生命装置が止まったと聞いた瞬間。
私の体からは滝のように冷汗が流れ出しました、なぜこんなに焦るのかも、涙が出てきそうなほど悲しいのかもわかりません。
でも私は、龍希に死んでも死んで欲しくなかった、なぜだか
疑問はもうひとつあった、私は何故か、思い出したんです。
あの少女「天瀬天」の少女を思い出しました。
───1か月前元地球
三空は雄一郎が追放されたというニュースを目にして地球に助けに出る。
アオイと地上に降り立った時、三空は絶望した。
Silvervoidoが大量に囲むように三空とアオイを見ていた。
「くっ……!?」
アオイが動き出すと三空はついて行けずに足をくじきその場にへたり込んでしまう、アオイはすぐに戻ろうと身体を動かすが三空は今にもSilvervoidoに攻撃されそうになっていた。
すると
金属音と刀が岩に触れるような鈍い音が何度も何度もカンカンと鳴る。
目を閉じていた三空が目を開けるとそこには身長の高く丸メガネをかけた女性が立っていた。
上には首まで覆い隠すニットのような服を着ており、体のラインがくっきりとわかる。
下には生脚がさらけ出される足のラインに沿った短めのスカートを履いている。
「大丈夫かぁい?君、可愛らしい女の子なのになんでこんなところいるんだよぉ」
「……えっと、あなたも女性では?」
「僕が可愛らしい女の子?……ハッハッハツ!面白い冗談を言う娘だなぁ!気に入ったよ」
頭をワシワシと撫でられ整えていた髪が全て崩れ、いつもなら怒っているが不思議と何故か微笑みが出てきた。
この人は優しい、私もアオイも直感でわかったんだと思う。
「君。見た感じSilver Variationだね?なんでここに来たんだい、君ら2人もなにか探し物?」
「君らもってあなたも?」
「あら奇遇ぅ、私は人探しをしている」
「私もよ!仙波雄一郎って黒髪の男の子を知らない?」
「その名前に覚えは無いけどぉ、1週間前くらいにシェルターから落ちてきた男の子なら見たかなぁ、」
「……もしかしたら!!アオイ!」「うん」
アオイと一緒に別れを告げて女性から離れようとした時、呼び止められた。
「君ぃ?そんなままじゃすぐ死ぬよォ、少し私とトレーニングしていかないかぁ?」
そうして私たちは。3日のトレーニングをした。
その際には他にもいろいろ会話をした、お互い目的がはっきりしていると協力などもやりやすいからいいとの事だ。
「私の目的は一つだよぉ三空くん。クロという女を殺すことだ」
「天さん、そのクロが何をしたか教えて貰ってもいいですか?」
そう、この人の名前は「天瀬天」さんって言うらしい
「私の親は、Silvervoidoに実験台として連れ去られたんだ。その時に私は決心し。アジトへと踏み込んだ。もちろん結果はボコボコだったよォ、そしたらクロが来たの」
「え?クロに何もされてないんじゃ、むしろそれだと助けられた感じになりそうだけど」
「いや、助けられたのは本当だけどさぁ、あいつ、囲ってたSilvervoidoと共に私の親も殺しやがってさぁ?恨むしかないよねって」
「あ、、、でも、微妙ですよね。助けられたけど殺されたって」
「そぉなんだよぉ?まぁ私は撲滅するよ。Silvervoidoとクロをね」
そのためにこの女は使える……天はそう思った。
「……私は雄一郎を助けたいだけ、正直協力するにも道が違うので」
「いやいや、同じだよ」
意味ありげに呟く天さんの顔には、企みがあったように感じた。
「雄一郎ね、私の標的であるクロが匿ってる。」
「え?それって私を鍛えさせてくれたの?」
「ついでに私も鍛えて君と私の目的を達成させちゃおうって」
でも私たちは二つに分かれた。
私が雄一郎の好きなクロさんを救ってあげたいと天さんを止めたから、
力ずくで止めたから、私たちの目的は二つに裂けたんだ。
───────現在。シェルター
「龍希隊長の部品は見つかった、修復したが、3日ほど動かないらしい。」
「作戦決行日は12月26日、突撃作戦まで準備を進めている。目覚めてくれよ」
雄一郎と三空は寝込んでまぶたを重くし動かない龍希を見ながら話す。
──12月25日、クリスマスの新宿駅前──
「おねーさん!!こっちで遊ばなァい?」
1人のチャラめの男が女に声をかける。
「無理です。上司に確認が必要なので」
すると女は名刺のような手帳を取りだし見せる。そこにはシルバ軍第二隊隊長「桜ヶ丘三空」と書かれていた
「げっ!!シルバ軍かよ!逃げろぉ」
しっぽを巻いて逃げた男をクスッと笑ってから振り返り駅へと向かう。
「どこもかしこもカップルばかりね、やっぱりクリスマスくらい彼氏と来たかったわ」
スクランブル交差点の信号が緑になり、中心の辺りで肩をトントンと叩かれた
「はい?どうしましたか?」
振り返るとロングコートを着ておりクリスマスのようにサンタの髭を生やしていた身長の高い人物がたっていた
性別は分からない、話して声を聞きやっとわかるか程度。
「やーあぁこぉんにちぃわぁ。私は」
懐から銃を取り出す。
三空は考えた、すぐに頭が回った。
(実弾のショットガン!?なぜこの時代に……?)
2600年に改革が起こり、実弾の使用が禁止された。
「っ……っ!?」
声が出るもなく、脳天を銃弾が撃ち抜き血が溢れ出す。
その場の人は放心するのみ。
「……は?」「え、撃たれた?」「実弾!?なんで?」「テレビだろ」「収録かな?」
するとスクランブル交差点中心で手を大きく開き大きく声を上げる
「わぁたしのなまえわぁ????天瀬天ちゃんですぅ!」
するとバッグから散弾銃を取りだし懐から弾丸の大量に入った袋を取りだし瞬時に装填する。
それと同時にサンタコスプレの髭を投げ捨てその髭を撃ち、その先にいた人の腹を貫く。
「さぁ!!!更なる高みへと行こう!」
散弾銃をぶっぱなし建物も電柱も全てが撃たれ人は倒れ血を流しその場は地獄絵図と化した。
「渋谷駅付近で発砲!!一人の隊員が撃たれました……その隊員は『桜ヶ丘三空』二等隊隊長!!!」
「アオイはすぐに向かって!!救護班は準備出来次第すぐに現場に急行!」
「了解!!!」
アオイは渋谷駅に向かう。
そこで見た光景は地獄そのものだった。
建物の窓ガラスは破壊、駅構内も血まみれ、撃たれた人が倒れ大量虐殺が行われていた。
「やぁ久しぶりアオイくん」
「あなたは………天瀬天!!!!」
「六連様のご命令に沿い、君たちを殺しに参上しましたァ!!!!!」
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