第13話 戦略
「クロ……お前が話していた彼女か」
俺とナーヴェストヴルと笹島とローズ。帰還できたのは3人と1人だった。
ナーヴェストヴルは隠れているしかない、なぜならこれでも一応シェルターでは死刑囚。もう死んだと思われていた人間、いやサイボーグだ。
でも見た目が変わっている今の現状、俺にはどうすることも出来ない、どちらかといえば何もしないが正しい。
「ナーヴェスト、クロはチップってやつでおかしくなってたんだろ?」
「あぁ、それな?俺らの愛で簡単に直ったわ」
「うるさい……」
からかったナーヴェストにクロは頬を赤らめる。
実際の真面目に回答したところ。
クロの中にあったチップは洗脳なんかではない、なら簡単なことで、そのチップを脳から取り外してぶち壊せばいいって単純な理由だった。
雄一郎は内なるサイボーグを呼び出す「機神化」を自由に操ることができるようになった。
人の傷を治したり、自分の傷を治したりなど簡単らしい。
正直、俺なんかより何倍も強く、強靭な肉体と化け物的な再生能力と人間には到底たどり着けない異能力を発生させた。
「今から俺らは、本拠点に戻り。第1から第6までの全隊員に作戦を伝え、強行作戦に行く。そしてアジトを叩き潰してヤミを回収。シオリの動きを封じ、正気に戻ったシオリの回収。あわよくば六連をぶっ殺す。」
最悪なことに、あいつはチップを埋め込んだだけ、あいつが死んだら全てが収まるとかいうご都合主義的な展開には行かない。
どこまでも面倒で、ゴミ野郎だ。
「よし、戻るぞ。」
俺らは現地球シェルターに帰還すると、ヤミのことについて上層部と部下に知らせ、皆が悲しみ恨みを燃やした。
「ヤミさんが!?」「相手はおかしい、ヤミさんを連れ去られるなんて相当な手練でしょ」「そんな奴に勝てるのか?」「勝てる訳がない!」
そんか不安な声が飛び交うのも無理はない。ヤミはこの軍隊の中でトップ2だった。俺はトップ3。
ナンバーワンは今は誰も会ったことがない最強の人間、サイボーグ。
「仙波雄一郎」
「紹介しよう。こいつの名前はナーヴェストヴル。またの名を「仙波雄一郎」だ。」
皆は驚き声を上げる。
「よろしく、こいつはクロ。元地球で何年間も生きのびてきたバケモンだ。今は俺のSilver Variationとして仲間になっている。こいつが何かやらかしたら俺が責任を取って死のう、よろしく。」
開いた口が塞がらない人が何人かいる。
「よ、よろしくお願いいたします!!!」
「ナンバーワン、仙波雄一郎様!!」
ナーヴェストが俺のそそっと近づき耳打ちする
(おいお前……何言ったんだ?ナンバーワンって、)
(すまん、ここにはいない伝説の男として都市伝説的に言い伝えてた)
(お前マジでふざけんなよ!)
俺は頭を手に当ててやれやれ、ごめんって〜的な軽い謝罪で済ませた
俺らはそれくらいの軽い謝罪でも許せるほどの深い中なんだ。
「じゃあ俺は自室に戻る、作戦は後ほど全体放送で伝える。自習するか訓練をしていろ」
「「「はい!!!!」」」
コツコツと靴を鳴らし静かな廊下を歩き自室の扉に手をかざすと自動で開く。
「………三空。少しいいか」
パソコンの前に立つと自動的に開いた通話アプリで三空に話しかける。
「いいよ」
と可愛らしく透き通るような美しい声が静かな部屋に鳴り、扉が開く。
三空は俺の部屋の隣なんだ、呼んだらいつでも来れる。
「どうしたの?雄一郎が帰ってきたことは知ってるよ」
………………
「黙ってちゃわかんないよ」
………………
「わっ、急に何」
………………
「わかった、好きなだけして」
落ち着いた俺は三空に話した。
雄一郎の過去について、そこでわかった仮説
「俺は1度死んでいて、この体は借り物」
でも外見は変わっていない、変わっていれば三空も雄一郎も学校に通ってる時点でとっくにわかっていることのはずだからだ。
なら俺は何者、何個か仮説は立つ。
俺は死んだ、そして本当に、信じられないが完全に似ている。または同一人物に体入れ替えサイボーグになった。
または
『俺は誰かに作られた偽物』
簡単に言うと俺は第三次世界大戦の時に死に、見た目が同じで記憶と性格を受け継いだサイボーグを誰かが作った。
造り手は考えられるのはまぁ「六連」だが、考えたくもない
「なるほどね、かなり複雑な状況ってことだ。」
三空は探偵のような口調で話す、遊んでいるのか、はまたまこれでも真剣に考えているのか
「あぁ、それって………」
俺は倒れた。
何らかの原因だろうか、疲労だろうか、もしくは
「部品の破損か」
「龍希隊長の体の部品が破損しています!」
「どこ!?あるものなら直ぐに入れ替える」
「、、、これは?」
それは名前も分からない、見たことも無いような、想像でも書くのは難しいような気持ちの悪い部品。
不規則な奇数個の出っ張り。長さは全て違う、下には針山のような部品とドーナツ状の金属が十字に組み合わせた部品が脳の近くに挟まっていた。
一見するとただの部品だが、恐らくこれで倒れたのだからかなり重要な部品なんだろう。
「まずいです、電気信号がどんどん途絶えてきて、、はっ!?!?」
医療者の顔が真っ青に生まれ変わる。
「電気信号拒絶……龍希隊長の生命装置が停止しました!!!」
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