啓斗POV

家に向かって歩きながら色々考えている。まず桃花に超能力があったとして、なんで麗奈に超能力の話をしたのだろうか?見た感じ麗奈は桃花のことが嫌いになっている。嫌われることくらい超能力があればわかったはずだ。そして感情を変えられるならば、なぜ俺を避けておきながら俺が桃花を嫌いになるようにしなかったのだろうか?でも理屈なんてどうでもいい。自分は怒っていた。桃花に。淵のことを操ったかもしれないことに。そんなことをして俺を今まで悩ませて巻き込んだことに。目の前にある石を蹴ろうとした。靴が脱げた。紐を結んでいなかったのだ。怒っていたから気づかなかったのかもしれないし、自分の足元というものは意外と気づきにくいのかもしれない。

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