死にたいの?

クライングフリーマン

死にたいの?

 死にたいの?

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 俺は、驚いた。

「ここ、空いてます?」と言った美少女に声をかけられ、席を譲ったら、こう言ったのだ。

 ここはファミレス。俺は営業マン。プレゼンの資料はファミレスに寄って書く。

 会社の事務所に帰って、涼みながら書く事は不可能だ。

 お局様以下、女性社員が「寒い」と5分毎に言う。仕事にならない。

 だから、途中でファミレスに寄る。自動車はクーラーが効くが、「広げて」仕事は出来ない。取りあえずビールって訳にはいかないから、取りあえずコーヒー。

 仕事が完了したら、バナナフラッペだ。

 タブレット、スマホ、PC。3人分は空間を使っている。

 しかし、平日の昼下がり。他のテーブルも、向かい側のテーブルの座席エリアも空いている。

 ああ、パパ活かあ。こんな可愛い子なら、一回くらいいいよな、女房にばれなきゃ、と思っていたら、いきなり言った台詞が「死にたいの?」

「あ・・・死ぬほど忙しいっていう意味なら、その通りだよ。」

「ブー。」

「まさか、『死ぬほど行かせて』・・・なんて意味じゃないよね。」

「ブー。」

「何か、変わった、『逆ナン』?もしかして、『パパ活』?」

「ブー。寝たいのなら、一回500面円。」

「500面円?あ・・・ああ、パフォーマー?面白いね。」

「ブー。」

「コスプレイヤー?当たった?」

「ブー。」

「失礼しました。芸能人の変装ですね。どっかに隠しカメラがあるんだよね。」

「ブー。」

「降参。いい加減、正体教えてくれないかな?」

「死神。」

「死神?」俺は、やはりテレビだと思って、キョロキョロした。

「死にたい、って言ったじゃ無い。大人は滅多に言わない台詞よ。」

「え?」その定義には異論はあるが、『死にたい』って言ったシチュエーションは?自動車の中か。この子、どこで、それを聞いたんだ?

「ごめんなさい。多分、忙しくて『死にたい』が口癖になってて、それを君は聞いたんだよね。」

「嘘だった?」

「嘘じゃないけど、いけない口癖だよね。以後気をつけます。」

 女の子は、漸く席を離れた。

 母親らしき女性と談笑している。

「死にたいの?」ウェイトレスがやってきて言った。

「あ。まだ死にたくない。」

「やだあ、お客さん。バナナフラッペ、どうします?後1人分しかないんだけど。」

「あ・・・お願いします。」

 女の子と話している内に時間が経っていた。

 俺は、PC、タブレット、スマホをバッグにしまい、少し残ったコーヒーを啜った。

 バナナフラッペが運ばれてきた。コーヒーを下げるウェイトレスに尋ねた。

「さっきの女の子、よく来るの?」

「今日の午後は、お客さん、貴方しか出入りしてないわ。疲れてるのよ、新一さん。」

「どうして、僕の名前を?」

「やだあ、昨日、結婚したじゃない。」

 ウェイトレスが行った後、ウェイトレスの言葉を反芻しながら、バナナフラッペを食べた。

 いつもの味だった。


 ―完―




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死にたいの? クライングフリーマン @dansan01

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