第2話
数日後、新規プロジェクトのキックオフミーティング。
会議室に入ると、詩織は息を止めた。
「……雪子さん……?」
そこには、先日の夜の熱を思い出させるような黒髪ロングの女性が、資料を整理しながら立っている。プロフェッショナルな笑みと、少し挑発的な瞳──まるであの夜の続きが始まるかのような存在感だ。
「詩織……久しぶりね」
雪子はゆったりと微笑み、視線を詩織に向ける。
「……はい、お久しぶりです……」
詩織は胸の奥で、理性と感情の間で揺れる心を押さえつけるのに必死だった。
会議中、雪子の声が耳に入るたび、体が小さく反応してしまう自分に気づく。頬が熱くなり、手が少し震える。仕事として距離を保とうとしても、雪子の存在はあまりにも強烈だった。
「……こんなに簡単に、また会うなんて……」
心の中でつぶやく。逃げたはずの自分と、抗えない想い──すべてが一度に押し寄せ、理性と欲望が交錯する。
雪子はその微妙な変化を敏感に感じ取り、ちらりと詩織を見つめる。
「ふふ……覚えてる?」
その視線だけで、詩織の胸はぎゅっと締め付けられる。忘れたいと思っても、忘れられない――。
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会議室で資料に目を落とす詩織の耳に、低く柔らかい声が届く。
「詩織……それ、私も手伝おうか?」
周囲には普通の仕事上の声に聞こえるだろう。しかし、声のトーン、目の奥の甘さ、微かに近づいた距離……すべてが、あの夜の熱を蘇らせる。
「……い、いえ、大丈夫です」
理性で答える詩織。だが心臓は跳ね、手のひらはほんのり汗ばんでいる。体の奥が熱く疼き、思わず息を整える。
(なんで……こんなに……)
詩織は心の中で自分を責めた。雪子に触れられると、体は自然と反応してしまう。抗えない快楽を思い出し、心まで熱くなる。
「……嫌なはずなのに……身体は覚えてる……」
雪子はそれを知っているかのように、ふとした仕草で距離を詰める。資料を渡す手が指先で触れた瞬間、詩織の背中に電流が走る。息を止め、視線を逸らす。
「……どうしてこんなに……」
理性では「仕事として距離を保たなければ」と思うのに、心と体は正直だった。雪子に支配される感覚が、妙に心地よく、抗えない。体が小さく反応するたび、罪悪感が胸を締め付ける。
(……いや……これは……だめ………嫌だって思わなきゃ……)
頭ではそう考える。けれど、指先の熱、耳元に届く囁き、微かに香る香水──それらが混ざり合い、心も体も雪子に引き寄せられていく。抗おうとすればするほど、身体は反応し、心は翻弄される。
「……雪子さん……どうして……」
思わず漏れた呟きに、雪子は微笑むだけで答えない。その笑みだけで、詩織の心は揺れ、抗えない快楽に身体が委ねられそうになる。
罪悪感、戸惑い、抗えない快楽――すべてが入り混じり、整理できない感情の渦。
詩織は自分が、雪子に支配されることを、知らず知らずのうちに快楽として受け入れていることを認めざるを得なかった。
(……どうして、こんな……嫌なのに……嬉しいなんて……)
理性と欲望、罪悪感と快楽――どれも譲れず、心の奥で葛藤する詩織。外面は冷静に仕事を進める“仕事相手”として振る舞いながらも、雪子だけには抗えない心と体をさらけ出してしまう自分に、胸は締め付けらた。
会議室の外、夜のオフィスの片隅。雪子は静かに近づき、ドアの影から詩織を見つめる。
「詩織……少しだけ、ここで……」
「……雪子さん……」
言葉に迷いながらも、詩織の体は自然に雪子に引き寄せられる。理性では“ここで抗わなければ”と思うのに、胸の奥の熱は止められず、呼吸が乱れ始める。
雪子の指先が肩に触れ、次に髪の毛をくるりと撫でる。耳元で低く囁かれる声が、体の奥底に直接響いた。
「抗えないでしょ……私のこと」
その言葉で、詩織の全身が反応する。胸が高鳴り、手のひらが汗ばんで、息が止まりそうになる。
「……いや……だめ……」
理性ではそう叫びたいのに、体は正直だ。雪子の温もりに触れられると、抗うどころか、逆に心地よさに身を委ねてしまう。背中がぞくぞくと震え、唇が自然に開き、吐息が漏れる。
雪子はそれを見逃さず、軽く抱き寄せる。
「ほら……もう抗えない」
その強引さと優しさが混ざった指先の感触、唇の熱、全身を包む柔らかさ──すべてが詩織を捕らえ、心も体もどうしようもなく溺れていく。
「雪子さん……あっ……」
小さな声が漏れ、思わず体を震わせる。理性で“逃げたい”と思うたび、快楽が押し寄せ、胸の奥が熱く疼く。雪子に触れられるたび、罪悪感と抗えない欲望が交錯し、もう自分の体を自分で制御できない。
雪子は微笑みながら、詩織の耳元に唇を寄せる。
「全部、私のもの……可愛い」
その言葉と熱に、詩織の理性は完全に崩れ落ちる。快楽の波に飲み込まれ、声も体も雪子に委ねるしかなくなる。
「……うっ……あっ……雪子さん……」
体の震えが止まらず、息が浅くなる。心の奥では罪悪感が叫ぶのに、体はそれを無視して快楽に溺れる。理性が快楽に負け、どうしようもなく身も心も雪子に支配されていく。
「あんまり声出したら誰か来ちゃうわよ。……場所を変えましょうか」
「…はい」
詩織にはもう抗うすべは無かった。
夜の静かなホテルの部屋。カーテン越しの街灯が、薄く詩織の頬を照らす。雪子は詩織の前に座り、黒髪を揺らしながら微笑む。
「詩織……覚えてる?あの夜、私があなたをどうしたか」
耳元に囁かれる声は、低く柔らかく、そして少し意地悪だ。
「……雪子さん……」
理性では抗おうとする詩織の声も、震えてしまう。胸の奥で熱が込み上げ、体が反応しているのがわかる。
「抵抗しても無駄よ……感じてるでしょ、私のこと」
その言葉で、詩織の肩が小さく震える。息が浅く、唇も自然に開いてしまう。心の奥では「ダメ、これは……」と思うのに、身体は正直に反応している。
雪子は微笑みながら、指先で詩織の顎を軽く持ち、視線を合わせる。
「ほら……そんなに震えて……私のせいね」
言葉責めと視線だけで、詩織の体は熱を帯び、背中にぞくぞくとした快楽が走る。
「……あっ……だ、だめ……っ」
吐息が漏れ、手が震える。理性では拒みたいのに、体は雪子の言葉と存在に屈服し、快楽に身を委ねてしまう。罪悪感と快楽が同時に押し寄せ、心も体も翻弄される。
「ねぇ……こんなに敏感で……私の声だけで震えるなんて、可愛い」
その低く甘い声に、詩織の体はさらに小刻みに震える。胸の奥が熱く疼き、唇を噛んで必死に理性を保とうとする。
しかし、雪子は微笑むだけでさらに言葉を重ねる。
「感じてるのに、まだ抵抗するの?ふふ、可愛い……もっと私に委ねて」
「……雪子先輩……あっ……うぅ……」
声も体も抗えず、全身が震える。快楽と罪悪感の狭間で、理性は完全に溶け、心も体も雪子に支配される。
雪子の責めは、ゆっくりと、しかし確実に詩織を捕らえ、抗えない快楽に身体を震わせさせ続ける──理性では拒みたくても、心も体も雪子に溺れていく。
部屋の空気は熱を帯び、窓の外の夜景もぼやけて見える。
雪子はゆっくりと詩織の肩に手を回し、顔を近づける。目を合わせるだけで、全身が震えるのを詩織は感じる。
「もう……我慢しなくていいのよ」
雪子の低く甘い声が耳元で囁かれる。理性では拒むべきだと思うのに、体は正直で、胸の奥が熱く疼き、唇が自然に開いてしまう。
「だ、だめ……雪子さん……っ」
抗おうとしても声は震え、吐息が漏れる。指先が勝手に震え、身体が小刻みに反応する。頭では「これはいけない」と分かっているのに、体は雪子の支配に屈していた。
雪子は微笑み、ゆっくりと詩織の髪に触れる。耳元で囁かれる甘く意地悪な言葉に、詩織の身体はさらに震え、背筋をぞくぞくとした熱が走る。
「ほら……こんなに震えて……可愛い」
言葉だけで体が熱くなる。頬が紅潮し、唇が震える。理性で抗おうとするたび、快楽が押し寄せ、心も体も雪子に引き寄せられる。
「感じてるのに、まだ抵抗するの?」
雪子の言葉に、詩織の息は浅くなり、指先は自分でも止められない震えを伴う。胸の奥で罪悪感が叫ぶ一方で、抗えない快楽が心を侵食していく。
「……雪子先輩……あっ……」
思わず漏れた声に、雪子は微笑むだけで答えず、さらに巧みに距離を詰め、身体も心も完全に捕らえる。理性は完全に崩れ、抗おうとしても無意味だった。
詩織の体は熱に包まれ、胸が締め付けられ、全身が震え続ける。心の奥では罪悪感が残るものの、それよりも雪子に委ねる快楽が勝り、もう二度と理性を取り戻すことはできない。
雪子はゆっくりと唇を重ね、手を滑らせ、詩織の全てを掌中に収めるかのように微笑む。
抗えない快楽に溺れ、理性も羞恥も忘れた詩織は、ただ雪子に身を任せ、甘く危うい夜に沈んでいった──完全に、雪子の手の中で。
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