第53話 残念ハイスペ女子なんて言うな(終)



それからのわたしたちはお互いの時間を目一杯共有した

いろんな想いがあったけど その想いまで共有してた

楽しいも寂しいもいっぱい詰まったぐちゃぐちゃな感情 だけどそれすらも愛おしかった だけど…



無情にもその日はやってきた


あっけなくフミアキは引っ越してった


引っ越し屋さんの手際の良さに感心と恨めしさがあった…


お別れの挨拶に行ったとき初めてフミアキのおかあさんに会った わたしは念の為にしっかり自己紹介とお別れの挨拶をした おかあさんはわざわざわたしに謝りにきてくれた

わたしは、そんな必要はないですってきちんと伝えた

だってまだなんにも終わってないし!!

わたしの言葉にフミアキのおかあさん笑ってた

おかあさんの笑顔見て今度こそ幸せになってほしいって思った


後でフミアキがわたしに『ありがとう』って言ってた

ネオンには世話になりっぱなしだったてさ…

でもわたしはみんなにお世話になった…クラスメイト、花凜ちゃん、カノン、ママ…他にもたくさん

だったらフミアキは誰に感謝したらいいんだ?ってくらいに 

結局わたし一人じゃどうにもならなかった


いろんなもんが、人が繋がってる


そもそもフミアキと出会えたのだって フミアキのおかあさんがあちこち引っ越してたからだとも言える

わたしだって幼い頃からの一連の出来事がなかったらカノンのようになっててフミアキなんか目もくれなかったかもしれない

本だって読んでたかわかんない

いいことも、やなことも全部現在いまに繋がってる なんか一つでも歯車が欠けてたら現在いまはなかったかも知んない

だったらこの先どうなるのかわかんないんだからせめて後悔しないようにしたい!


だってこの『恋』を無駄にしたくないから!!


フミアキの乗ったクルマに手を振ってたときすごく寂しくて悲しくて苦しかった…今までに味わったことのない感情…


『恋』だって今までに味わったことのない感情だった

だったらわたしすごく成長してね?

なんだか今まで以上に背筋を伸ばして胸を張れてる気がしてた


ーピコピコー


スマホからの通知音 きっとあいつだ


『ネオン ホントにたくさんありがとう

ネオンに出会えてなかったら絶対に現在いまのおれはない ずっとずっと一人ぼっちだったはずだ

ネオンに出会えたからおれはおれを取り戻せた

正直最初はウザいって思ってたw

今じゃそん時のおれを殴ってやりたいって思うw

と同時に現在いまの自分を褒めてやりたい

ちゃんとネオンに向き合えた自分を。

まぁそんだけネオンが真っすぐだったってことだけどな! 向き合わざるを得ないって言うか…

おれが惹かれていってたからな…


たくさんの思い出ありがとな

でもこれで終わりじゃないよな? おれたち一生懸命青春するんだろ??


ー 別れることがなければ


      巡り合うこともできない ー


これ西洋のことわざだってさ

 

まさにこれからのおれたちにぴったりじゃね?

またお勧めの本も教えるわ ネオンも教えろよ


てか書きたいこと山ほどあるけどキリがないよなw

なに書いてるのかもわかんなくなってきたし…


ネオンみたいに 


かわいくて


勉強もできて


スポーツもできて


なんにでも一生懸命で…


あと、背も高くてw


そんなハイスペ女子がおれなんかに初恋とか


もったいねーわ!!


残念ハイスペ女子かよwww 』




まとまりのないフミアキからのライン 


あいつらしいわ…


ぜんぜんこれで終わりだなんて思ってなかった


何度も何度もフミアキからのライン読み返してた


つまんなくて笑えないとこもフミアキだった



フミアキのこと好きんなって


一生懸命がんばって恋して 泣いて 笑って…


そんなことぜんぶ知ってんだろ…


だったら 素直になれ 応援しろ………


本気でフミアキのこと好きになったわたしに




残念ハイスペ女子なんて…言うな。



                fin












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