第49話 計画




「ねぇ 花凜ちゃん相談があるんだけど…」


終業式まであと1週間と迫った日、わたしは前々から一人思い悩んでた計画を花凜ちゃんに打ち明けた


「うん それいいね いいと思う! やるべきだよネオンちゃん!!」


花凜ちゃんは心から賛同してくれた

きっと花凜ちゃんならわかってくれると思ってたけど、いざ話すまではドキドキしてた


「ありがとう花凜ちゃん! わたしすごく迷ってたから 自信持ってやってみる!」


実際そうだった 

花凜ちゃんに相談してよかったって思えた

おせっかいだとか自己満なんじゃないか?なんて悩んでた でもなんか残したかったから


「それと、、、その日はイヴだしね」


え?花凜ちゃんの一言にわたしは固まってしまった


「ほら、今年は終業式24日だからイヴと重なるんだよ? もしかしてネオンちゃん…?」


すっかり忘れてた…ここんとこの充実してた日々がわたしにそんなこと考えさせる余地を与えてなかった

ってか、恋してたら普通は意識するハズのイヴが今までのわたしとは無関係すぎてて頭の片隅にもなかった


なんなら終業式やその後に訪れるフミアキとの別れに持ってかれてた

フミアキだってそんなこと全然言ってなかったのは

わたしに気を使わせないようにするためか、もしくはホントにあいつも忘れてるかだった

けど今やるべきこと、考えることはそんなことじゃない! わたし一人じゃどうにもなんないこと…

今は目の前のことに全力にならなきゃ!


「思い出は1つでも多い方がいいと思う ある意味これはわたしたちからのクリスマスプレゼントになるかもだしね」


わたしには確信があった、計画がうまく行けばきっと大切な思い出になるって


「思い出がプレゼントって…なんかいいね」


花凜ちゃんがしみじみと言う


やると決めれば行動しかなかった

わたしは花凜ちゃんと手分けして動き出した


残された時間はあと少しだけだった

こんなこと この先あるかも できるかもわかんない

だって今のわたしは今のわたしでしかないから


それに今はわたしのためだけって気持ちじゃなかった

フミアキのためにもなにかしたいって気持ちだった

あいつにこの学校のこと、このクラスのこと、みんなのこと忘れてほしくないから

過ごした時間だけが全てじゃないって思うから

どれだけ今が大切だって思えるか、かけがえのないものだって感じれるか、そのためにフミアキだってがんばってたハズだから…

 それは二人の時間をより大切な時間へと変えてくれると思ってる

 フミアキならきっとそれに気づいてくれるって信じてたから







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