第5話 中学生時代 バレー部
でもわたしの期待とは裏腹に現実は残酷だった
もちろんわたしの考えの甘さが一因にあると言うことは自覚してる だけどここでも問題はわたし自身ではどうすることもできない問題になっていた
一学期に体育祭が行われるわたしたちの中学校では早くから体育祭に向けた体育の授業が行われていた
元々身体を動かすことが好きだったわたしは持ち前の身体能力を発揮して躍動していた バレー部の顧問は他の学年の体育教師だったので体育祭の練習や本番体育祭でのわたしの活躍を見て1年生では異例のレギュラー候補として扱われることになった
とは言えわたしはバレー初心者 ただ背が高いってだけでこれと言った細かな戦術なんて知る由もなかった
本を読むことは苦にしないタイプなのでいろいろバレーに関係する本は読んでみたけど読むのとするのでは大違いだった ましてやバレーは一人でやるスポーツではない そこがとても重要だった
わたしのような素人がゴリ押し気味にレギュラー扱いされて気分のいい先輩なんていなかった
小学生の頃からバレーに親しみバレーを愛してプレーしてきた先輩たちからしたら体格に恵まれただけにしか感じられないわたしの存在はとても疎ましかったろうに思う いかにわたしがバカでもそれくらいは理解できる
わたしは何度も顧問やコーチに今の扱いをやめてほしいと懇願した
それでも何度か試合で使われその都度醜態を晒すことになった
わたしが入ったことでバレー部の団結は崩壊しかけていた
夏休みを過ぎた頃わたしは退部を決めた
遅いと思うかもだけどわたしにも意地もあった
でも次の大会って目標が出てくる前に辞める決断をしないとホント迷惑がかかると判断した
顧問やコーチはひきとめてくれたがチームとしてもわたし個人としても限界だった
バレーの動きは理解が進んで動けるようになってきていただけに『もっと』って気持ちはあっただけに未練がないわけじゃなかったけど…
状況がそれを許してくれなかった
バレー部を退部したわたしは一連の出来事から少し浮いた存在になっていた
元々からかってくる男子に対してはなんの期待もしていなかったが バレー部の先輩と仲のいい女の子たちからも距離を取られるようになっていた
1年生の仲の良かったバレー部の女子も最初の方こそかばってくれていたけど先輩の目を気にするあまりわたしから離れて行ってた
小学生の時は女子さえいれば問題ないって思えてた
でも今はその女の子でさえもわたしと仲良くしてくれるのは極一部になっていた それすらも少し憐れみのように感じる自分がいやだった
わたしは小学校の時より孤独になったように感じた
わたしなんかした? わたしなんか悪いことした?
口癖のように頭の中でその言葉はぐるぐる回ってわたしの思考を支配しようとしてた
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