二話までの導入だが、設定の軸が早々に立ち、冬の街→店内のコントラストで物語に滑り込ませる力がある。文体は素直で読みやすく、会話の間合いも心地よい。語り手の「あ、この人だ」に至る心の跳ねがきちんと描かれ、関係性がお金で繋がると宣言されることで、これからの葛藤と選択が自然に予告されているのも良い。現段階でも雰囲気作りは十分。次回以降、彼の呼称や所作を一つ二つ固定すると輪郭がさらにくっきりしそう。今後が楽しみ。
もっと見る