ep.15 二つの褒美
登場人物
「ほう」
感心の声を上げたのは
見えないが、感じることはできた。これまでに経験したことがないほどの、肌がひりつくような感覚だった。集中が途切れた時が死ぬ時だと思えた。だが、
飛廉に一閃を加えようと、猛然と突っ込む裴巽に飛んできたのは、無数の
続けざま、飛廉は左肩に担いだ白い布袋の口を緩めた。
腹を
その剣は、勢いこそ突風に削がれたが、切っ先は飛廉の
裴巽はその隙を突いた。勢いを以って床に身を滑らせ、飛廉の右足に一閃を放った。
「ガアア――‼」
「裴巽――‼」
響いたのは、
裴巽の躰は、くの字に折れ曲がり、その衝撃は床が
俺の
裴巽は、口から鮮血を吹き出しながらも念じていた。飛廉の右足、その
ふうっと、飛廉の姿が消えていた。
「見事だ」
頬杖を突いたままの蚩尤が不敵に笑った。
僅かに動いてはいる。死んではいないようだったが、裴巽は虫の息だった。
「裴巽と云うのか?
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