夏の蝉時雨

オリーゼ

デッドオアアライブ(虫注意)

※この短歌および付帯の話には人によってショックの大きい虫の話が含まれております。苦手な方はブラウザバックでお戻りください。



マンションの外廊下に響く断末魔 隣の娘かセミファイナルか



この場合のセミファイナルは死にかけの蝉の意味です。準決勝ではありません。

私、Gを素手で駆除できるタイプなんですが(ティッシュ越しです。なおこれが一番確実に仕留められます。スプレーで飛ばれるよりマシ。お勧めの殺り方です。おためしあれ)クーラーの下に鉢をおいてましてね。その葉っぱが枯れて落ちてると思って、たまたま持ってたティッシュで取ったんですよ。

でもね、なんか葉っぱにしては色が茶色いし薄い、音がカサってしたなって…。

死んで干からびたGでした。

室外機のホースからスネーク試みたもののこの暑さで乾燥死したようでした。

普段は見かけた瞬間に叩く掴む踏むのいずれかが出来る方です。見敵必殺です。

でもこの不意打ちは無理でして、悲鳴をあげたら家人に笑われて断末魔かと思った、と言われたんですね。

そして、その翌日、玄関前でセミファイナルを見つけてですね。もうファイナリストになってるんじゃない?という家人の予想で、見分け方も忘れてしまった私ですが、用心に用心を重ねてそっと塵取りで掬ったんですよ。

ジジッという音ともに空高く飛んで行きました。

蝉は生きていた。

そんな気持ちを込めて短歌を書きました。生ききれ蝉!夏の短い生命の讃歌に乾杯!

それはそれとしてカサっとした黒いやつは見敵必殺します。

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夏の蝉時雨 オリーゼ @olizet

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