第3話 優しい竹中先生

竹中先生は啓介たちの学校の先生で、普段は真面目で優しい先生ですが、休日出勤で生徒がいないのでだいぶゆるい格好をしていました。

「仕事が辛い〜早く家に帰ってイチャイチャした〜い」

そこに雪之助が駆け込んできました。

「せんせー!『あい』って何ー?」

「・・・聞いた?」

「何を?何か喋ってたの?」

「いいえ、別になんでもないですよ。」

「変なのー。」

先生がほのかな気まずさを感じているうちに遅れて啓介たちもやってきました。

「やっと追いついた・・・」

「雪は無駄に足速いんですから、自覚してください。」

「休みの日なのに三人揃ってどうしたんですか?」

「そのことで、先生に聞きたいことがあるんだ!『あい』がプリンじゃないなら何なのか教えてほしい!」

「雪。敬語ですよ。」

「あぅ、えっと、ほしい、です。」

「ちょっと待ってください。もう一回説明してもらえますか?」

「せんせーったらしょうがないなー。」

雪之助がニヤニヤしているのを見て、このままだと余計時間がかかりそうだと思った啓介は割って入って話だしました

「えっとかくかくしかじかで・・・」

〜〜〜〜〜

「理解しました。つまり愛の定義を知りたいと。」

「はい、そういうことです。」

なんとか先生が納得してくれて、啓介は一安心です。

「せんせーなら知ってるじゃないかなーって」

「なんだか道徳の授業みたいですね。あー…うん。知ってなくはない、です、か、ねぇ…」

「本当ですか。雪、良かったですね。『あい』がなにかわかりますよ。」

「やった!早く教えて!」

「は、恥ずかしいですけど・・・」

先生は躊躇うように一拍、もしかするとそれ以上開けて、早口で話し出しました。

「まぁなんですか、愛っていうのはやっぱり、家での仕草一つ一つがかわいいなって思って、毎日好きの限界突破な気分で、朝目が覚めるたびに、顔が見れるわけですよね。それで、どんどんと愛おしさが増していって……」

普段聞かない竹中先生の早口にびっくりしていた三人でしたが、あまりにも要領を得なかったのか、雪之助は飽きてしまいました。

「よくわかんないー。他の人に聞いてみよーっと!」

「ちょっと、ユッキー!待ってってば。」

三人がいなくなっても先生は自分の世界に入ってしまったようで、最初の恥じらいはどこへやら。ずっと話し続けていました。

「ああ、それとこの間付き合って3年目のお祝いをしたんですけどね、いつも『記念日とか興味ない』なんて言ってるんですけどね、記念日が近づくとカレンダーを気にしながら上機嫌になっていくんですよ、可愛いでしょう!それと、・・・」



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