ついに誕生!一人目のレンジャー!
「本当になにこれ…」
大正くんと6つの石化しているヒーロー像を色んな角度から何時間も観察しているが、なにも分からずじまいにいる。私たちは部室にある机や椅子にぐったりして身を預ける。そんなとき部室にノック音が響く。
「俺でてくる。」
大正くんがドアを開くとそこには
「雪原さん、生徒会長がお呼びです。」
そこには、飛馬くんと同じ生徒会に所属していて、飛馬くんを支える副会長の
「行きましょう。われらが姫よ。」
と恥ずかしいセリフを言い、私は少し照れてしまった。
「おい、そんなに緊急なのかよ。」
と大正くんが間に割り込むと満くんが
「生徒会長の言うことは絶対なので。」
と言い、私は二人に腕をつかまれ半ば強引に連れ去られた。
「ま、また来ますから!!」
と大正くんに言い残し、部室を後にした。生徒会室に行く間に、廊下を歩いているときに満くんと月くんが
「最近魔人の出現が多いらしいです。」
「気をつけてね~。まあ、俺らの姫はきっと大丈夫だろうけど。」
と注意を受けた。
「あ、あの姫って言い方…」
とやめるよう言おうとしたが
「だって莉々ちゃんは俺らの姫なんだもん!」
と月くんが少し頬を膨らませながら言った。満くんは、頷いてるし…。こればかりは、受け入れないといけないらしい。
「生徒会長、連れてきました。」
満くんがドアを三回ノックしたあと飛馬くんがドアを開け
「ご苦労。お前たちは仕事を終わらせて来い。」
と言い、二人は私を残して、どこかへ行ってしまった。
「莉々、こっちにおいで。」
と優しい顔で私を手招きし、室内に入るとテーブルに紅茶とクッキーがあった。
「俺の休憩には、絶対莉々が必要だから。」
と言い、飛馬くんはソファーに座ると膝に座るようにと言わんばかりに手を広げてきた。
「しょうがないなぁ。」
と私は飛馬くの膝に座った。座ると飛馬くんに抱きしめられ、ブランケットに2人でくるまる。
「えへへ。」
と私が笑うと
「あーまじで癒し。なにこの可愛い生物……」
と変なことを飛馬くんが頭を抱えながら言っていた。その後は飛馬くんにクッキーと紅茶を食べさせられ、飲まされ、そしてキスをひたすらされた。
「そろそろ仕事するけど、絶対ここにいて!!」
とうるうるした瞳でお願いされたので、ソファーでゴロゴロしたり、勉強したりした。飛馬くんをちらりと見ると机には大量の資料とパソコンがあって、大変そう。私なんかいていいのかな…。
「ちょっとトイレに行ってくるね。」
「あぁ。早めに帰ってきてね?」
トイレに行く私にそう飛馬くんが言った。私はトイレに行った後、飛馬くんのためにコーヒーとお菓子を買いに行こうと外に出たとき突然
「助けて!!」
と女の人の声が聞こえ、私は声がするほうに向かうと女の人が魔人に襲われていた。
「莉々!」
と息を切らせ肩で息をする大正くんがこちらへ走ってきた。
「あの魔人……はさみを持って暴れてる。それに目が三つ……」
魔人は女の人の髪をざっくりと切ってしまった。しかしそれでは、もの足りないのか
腕を目がけている。そんなとき大正くんが女の人を助けに入った。
「絶対許さない!!」
と大正くんは、魔人にめがけて体当たりをした。しかし、魔人にかわされ、笑われている。そして魔人が大正くんを殴り、蹴り、大正くんは血だらけになり倒れてしまった。そして目線は私に向き、近づいてきた。
「い、いや……」
私の能力を使う?でもだれかにバレたら学園にいられなくなる。大正くんは魔人の足を掴み
「俺の…大事な人に手を出すな!!」
そのときだった。大正くんの体が炎に包まれた。すると大正くんは
「燃えろ!俺の願い!赤レンジャー!!」
なんと赤レンジャーに変身したのである。同時に部室に置いてあるヒーロー像が一つ割れ、赤いヒーロー像になった。
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