ついに誕生!一人目のレンジャー!

「本当になにこれ…」

大正くんと6つの石化しているヒーロー像を色んな角度から何時間も観察しているが、なにも分からずじまいにいる。私たちは部室にある机や椅子にぐったりして身を預ける。そんなとき部室にノック音が響く。

「俺でてくる。」

大正くんがドアを開くとそこには

「雪原さん、生徒会長がお呼びです。」

そこには、飛馬くんと同じ生徒会に所属していて、飛馬くんを支える副会長の水鶏 満くいな みちるくんとつきくんがいた。二人は、双子でとってもそっくりだ。それに顔も整っていて学園の中でファンクラブもあるほどだ。しかし、ファンクラブのみんなでも二人の見分けがつかないらしい。満くんは手が少しごつごつしていて、クールな雰囲気があり、人を寄せ付けないオーラがすごい。それに比べて月くんは、手に豆があり、陽気で誰とでもすぐ仲良くなれる。私は当初二人に会ったときは、飛馬くんから紹介から知り合いになった。その後すぐどちらが満か月かを当てるゲームをした。そのときに私は一発で二人を見極めたのである。その後からとても仲良くさせてもらっている。月くんが私の手を差し伸べ

と恥ずかしいセリフを言い、私は少し照れてしまった。

「おい、そんなに緊急なのかよ。」

と大正くんが間に割り込むと満くんが

「生徒会長の言うことは絶対なので。」

と言い、私は二人に腕をつかまれ半ば強引に連れ去られた。

「ま、また来ますから!!」

と大正くんに言い残し、部室を後にした。生徒会室に行く間に、廊下を歩いているときに満くんと月くんが

「最近魔人の出現が多いらしいです。」

「気をつけてね~。

と注意を受けた。

「あ、あの姫って言い方…」

とやめるよう言おうとしたが

「だって莉々ちゃんは俺らの姫なんだもん!」

と月くんが少し頬を膨らませながら言った。満くんは、頷いてるし…。こればかりは、受け入れないといけないらしい。

「生徒会長、連れてきました。」

満くんがドアを三回ノックしたあと飛馬くんがドアを開け

「ご苦労。お前たちは仕事を終わらせて来い。」

と言い、二人は私を残して、どこかへ行ってしまった。

「莉々、こっちにおいで。」

と優しい顔で私を手招きし、室内に入るとテーブルに紅茶とクッキーがあった。

「俺の休憩には、絶対莉々が必要だから。」

と言い、飛馬くんはソファーに座ると膝に座るようにと言わんばかりに手を広げてきた。

「しょうがないなぁ。」

と私は飛馬くの膝に座った。座ると飛馬くんに抱きしめられ、ブランケットに2人でくるまる。

「えへへ。」

と私が笑うと

「あーまじで癒し。なにこの可愛い生物……」

と変なことを飛馬くんが頭を抱えながら言っていた。その後は飛馬くんにクッキーと紅茶を食べさせられ、飲まされ、そしてキスをひたすらされた。

「そろそろ仕事するけど、絶対ここにいて!!」

とうるうるした瞳でお願いされたので、ソファーでゴロゴロしたり、勉強したりした。飛馬くんをちらりと見ると机には大量の資料とパソコンがあって、大変そう。私なんかいていいのかな…。

「ちょっとトイレに行ってくるね。」

「あぁ。早めに帰ってきてね?」

トイレに行く私にそう飛馬くんが言った。私はトイレに行った後、飛馬くんのためにコーヒーとお菓子を買いに行こうと外に出たとき突然

「助けて!!」

と女の人の声が聞こえ、私は声がするほうに向かうと女の人が魔人に襲われていた。

「莉々!」

と息を切らせ肩で息をする大正くんがこちらへ走ってきた。

「あの魔人……はさみを持って暴れてる。それに目が三つ……」

魔人は女の人の髪をざっくりと切ってしまった。しかしそれでは、もの足りないのか

腕を目がけている。そんなとき大正くんが女の人を助けに入った。

「絶対許さない!!」

と大正くんは、魔人にめがけて体当たりをした。しかし、魔人にかわされ、笑われている。そして魔人が大正くんを殴り、蹴り、大正くんは血だらけになり倒れてしまった。そして目線は私に向き、近づいてきた。

「い、いや……」

私の能力を使う?でもだれかにバレたら学園にいられなくなる。大正くんは魔人の足を掴み

「俺の…大事な人に手を出すな!!」

そのときだった。大正くんの体が炎に包まれた。すると大正くんは

「燃えろ!俺の願い!赤レンジャー!!」

なんと赤レンジャーに変身したのである。同時に部室に置いてあるヒーロー像が一つ割れ、赤いヒーロー像になった。

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