ヒーローの原点
私
私の朝はいつも2パターンだ。1つは彼氏が私の家まで迎えに来てくれる。今日はそのもう1つのパターン。
「あぁ!!おはよ!」
私の顔を見てパァと明るくなって私を抱きしめているのは、
「今日も可愛いなぁ、よしよし。」
だいぶ大きな犬に見える。尻尾をブンブン振っているように見える。頬ずりをされた後、飛馬くんはカバンを持って、私の手を繋ぎ家を出る。それと私の街では、よく魔人が現れる。魔人とは、神出鬼没で街の人たちを襲っているらしい。だけど、その魔人を倒しているヒーローがいる。それは……
「おはよう!!莉々!」
「おはよう。
私の能力を知っている人であり、この学園のヒーロー部を作った本人である。身体能力が高く、どうやらヒーローになりたいらしい。
「莉々、今日こそヒーロー部に入ってくれ!頼む!」と私の手を握ると飛馬くんが私の腕を引っ張り
「お前、俺の彼女に近づくな。」
と牽制している。
「まーたやってるよ、あの3人」
学園のみんなが見ていて、私は恥ずかしくて、飛馬くんの胸に顔をうずめた。
「じゃあまたあとでね。」
「あぁ。」
飛馬くんと教室の前でお別れした後席についた。
「あの涼川 飛馬をあんなに手懐けるられるのは、あの雪原さんしかいないよなぁ……」
そう、飛馬くんは冷徹の生徒会長と呼ばれている。あんなに優しいのにな……。
「きゃあ!!魔人よ!!」
声がするほうへ駆けつけるとそこには、魔人が生徒を襲っていた。まずい、こんなに大勢の人がいるところで能力を使ってしまったら……
「やめて!!」
私はそう言うと魔人がこちらへ向かってきた。私は目を瞑った。しかしなにも起こらない。目を開くと魔人がなんと私に跪いていた。それに
「あなた様は襲いません。今日はこれで去ります。」
そう言うと魔人は影に消えた。
「おい!大丈夫か!?」
大正くんが急いで私の元へ駆けつけた。
「大丈夫。だけどなぜかあの魔人……」
「おかしかったよな……」
私はあの後大正くんにヒーロー部の部室に連れてかれた。
「どうぞ。」
「失礼します。わぁ、ヒーローのポスターに置物……。」
「おっ!気づいたか!これはな、あのときのヒーローの……」
大正くんのヒーローが大好きなことが伝わる。
「で、あの魔人なんだかおかしかったよな……」
大正くんはやはり、気づいていた。私にだけ魔人は襲わない。一体なぜ……?
「莉々の能力が狙いか?たとえば……」
「私を魔人にするとか?」
そう。それなら行動と考えは一致する。だけど、私の能力を知っているのは、大正くんと飛馬くんだけ。どちらかが、私の噂を流した……?だけどどちらとも味方だと信じたい。
「他に考えは見つからないよね……」
「だな……俺のヒーロー本からの情報収集ができないし。歴代のヒーローは変身して能力を得るが、莉々お前は別枠だ。」
「そうね……。」
「俺がヒーローに変身できればいいのに……!くそ!!」
大正くんは机を拳で叩く。
「落ち着いて!大正くん!」
大正くんはヒーローに憧れていたのはあるが、ヒーローになれる条件は未だにかつて不明だ。
そのとき部室にある古いテレビが急に動き出した。ラジオの雑音が流れていたあと数秒後急に光が発射され、私たちは目をつぶった。その後テレビに赤いヒーローが写った。
「え?これ……?」
「俺が昔出会ったヒーローだ!!うわ!かっこいい!」
大正くんは興奮していた。テレビいっぱいに顔を近づけていた。するとテレビからヒーローが私たちに
「お前たちでレンジャーズを作るんだ!!」
するとそのヒーローは私たちにあるものを渡した。
「6個のヒーロー像?」
しかしその像は石化している。
「ねぇ、これなに……」
と聞こうしたが、テレビの画面は消えてしまった。
「どういうことだ……?」
私と大正くんはその6個のヒーロー像を長い時間見つめていた。
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