ヒーローの原点

雪原 莉々ゆきはら りりは、高校1年生。正直に言う、私は最強の能力者だ。この話はまた別のときに話すとして……

私の朝はいつも2パターンだ。1つは彼氏が私の家まで迎えに来てくれる。今日はそのもう1つのパターン。

「あぁ!!おはよ!」

私の顔を見てパァと明るくなって私を抱きしめているのは、涼川 飛馬すすがわ ひゅうま。私の学校の生徒会長であり、婚約者であり、彼氏である。勉強も運動もできて、しかも顔をかっこよくて、クールイケメンと学校では、噂されている。そして、私の能力を知る人。だけど、私の前では、

「今日も可愛いなぁ、よしよし。」

だいぶ大きな犬に見える。尻尾をブンブン振っているように見える。頬ずりをされた後、飛馬くんはカバンを持って、私の手を繋ぎ家を出る。それと私の街では、よく魔人が現れる。魔人とは、神出鬼没で街の人たちを襲っているらしい。だけど、その魔人を倒しているヒーローがいる。それは……

「おはよう!!莉々!」

「おはよう。大正たいしょう

赤城 大正あかしろ たいしょう

私の能力を知っている人であり、この学園のヒーロー部を作った本人である。身体能力が高く、どうやらヒーローになりたいらしい。

「莉々、今日こそヒーロー部に入ってくれ!頼む!」と私の手を握ると飛馬くんが私の腕を引っ張り

「お前、俺の彼女に近づくな。」

と牽制している。

「まーたやってるよ、あの3人」

学園のみんなが見ていて、私は恥ずかしくて、飛馬くんの胸に顔をうずめた。









「じゃあまたあとでね。」

「あぁ。」

飛馬くんと教室の前でお別れした後席についた。

「あの涼川 飛馬をあんなに手懐けるられるのは、あの雪原さんしかいないよなぁ……」

そう、飛馬くんは冷徹の生徒会長と呼ばれている。あんなに優しいのにな……。

「きゃあ!!魔人よ!!」

声がするほうへ駆けつけるとそこには、魔人が生徒を襲っていた。まずい、こんなに大勢の人がいるところで能力を使ってしまったら……

「やめて!!」

私はそう言うと魔人がこちらへ向かってきた。私は目を瞑った。しかしなにも起こらない。目を開くと魔人がなんと私に跪いていた。それに

「あなた様は襲いません。今日はこれで去ります。」

そう言うと魔人は影に消えた。

「おい!大丈夫か!?」

大正くんが急いで私の元へ駆けつけた。

「大丈夫。だけどなぜかあの魔人……」

「おかしかったよな……」

私はあの後大正くんにヒーロー部の部室に連れてかれた。

「どうぞ。」

「失礼します。わぁ、ヒーローのポスターに置物……。」

「おっ!気づいたか!これはな、あのときのヒーローの……」

大正くんのヒーローが大好きなことが伝わる。

「で、あの魔人なんだかおかしかったよな……」

大正くんはやはり、気づいていた。私にだけ魔人は襲わない。一体なぜ……?

「莉々の能力が狙いか?たとえば……」

「私を魔人にするとか?」

そう。それなら行動と考えは一致する。だけど、私の能力を知っているのは、大正くんと飛馬くんだけ。どちらかが、私の噂を流した……?だけどどちらとも味方だと信じたい。

「他に考えは見つからないよね……」

「だな……俺のヒーロー本からの情報収集ができないし。歴代のヒーローは変身して能力を得るが、莉々お前は別枠だ。」

「そうね……。」

「俺がヒーローに変身できればいいのに……!くそ!!」

大正くんは机を拳で叩く。

「落ち着いて!大正くん!」

大正くんはヒーローに憧れていたのはあるが、ヒーローになれる条件は未だにかつて不明だ。

そのとき部室にある古いテレビが急に動き出した。ラジオの雑音が流れていたあと数秒後急に光が発射され、私たちは目をつぶった。その後テレビに赤いヒーローが写った。

「え?これ……?」

「俺が昔出会ったヒーローだ!!うわ!かっこいい!」

大正くんは興奮していた。テレビいっぱいに顔を近づけていた。するとテレビからヒーローが私たちに

「お前たちでレンジャーズを作るんだ!!」

するとそのヒーローは私たちにあるものを渡した。

「6個のヒーロー像?」

しかしその像は石化している。

「ねぇ、これなに……」

と聞こうしたが、テレビの画面は消えてしまった。

「どういうことだ……?」

私と大正くんはその6個のヒーロー像を長い時間見つめていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る