12話
「んっ…ここは?」
目を覚まして最初に目に入ったの白い間取りに風が窓から吹き抜け、それと共に揺れるカーテンだった。
「病院だ…」
「師匠…あれからどうなっの?」
「お前さんあの戦いから2日眠っていたんだ」
「2日も寝てたの俺!」
「あぁ、恐らく氣の全開放によって身体に急な負荷がかかったんだろうな」
「お前さんは、4年前の霊災で俺が拾った孤児ということにしてある。これからは、俺の養子として一族に迎え入れる事になる」
「師匠の一族?」
「あぁ、俺は家が代々陰陽師の家系でな。いわゆる名家ってやつだ…」
「やっぱりそうなんだ」
「まぁ、とりあえずお前さん橘孝介とどんな話をしたか聞いてもいいか?」
「実は…」
俺は、橘孝介と話した事を師匠に伝える。
「…全能の巫女か…しかも、あの孤児院に居たとは、何て名前の子だ?」
「雪っていう俺より2つ年上の女の子だけど」
「!…ゆ、雪という子か、幸い計画通りに事がはこんでいるからお前さんが孤児院の人間だとバレることはないだろうが…これからの孤児院での教育は俺が信頼できる人間を派遣しておこう。」
「ありがとう。師匠」
師匠は何故か少し焦ったように俺にその事を話した。
「それと、やはりお前さんガッツリ衛星のカメラでみられていたらしいぞ。」
「マジかー…俺どうなるかな?」
「氣の全解放で世界中に感知はされていると思うからな、顔バレするのも時間の問題だと思うぞ」
「は〜ぁ、面倒くさい事にならなければいいけど…」
「そのうち、お前さんを手に入れようとする勢力が出てくるだろうが誰に仕えるかはお前さん決めろそれに関しては俺は口をださんができるなら有名な一族に仕えることだ」
「何で?」
「お前さん、吉備家の人間になるが後ろ盾がうちだけというのは少し物足りないからな、できるだけ大きな御家に仕えることができればお前さんに手出しする人間は減るだろう」
「あの氣の解放そんなにやばかったかな?」
「俺は遠くから観ていたが中々のものだったぞ、あれは流石にどうにもならん」
「師匠にもどうにもできないと?」
「あぁ」
「はーーぁ、やっちまった〜」
「せめてお前さんが特級陰陽師だったら話は別なんだがな…」
「でも、全解放15分しか持たねえし…普段の実力は2級くらいだから特級何てとてもじゃないけど想像ができないんだけど」
「嫌、今から3年間は俺の所属している組織で仕事こなせばなれるから安心しろ」
「しばらくは行方をくらますってこと?」
「まぁ、そうなるな」
「特級になったらそれこそ正体隠せないんじゃ…」
「そこでお前さんにこれをやろう」
そういって狐のお面を渡される
「裏の仕事ではこれをつければ少なくとも裏の人間には身バレすることはないだろう」
「これは師匠が作ったの?」
「いいや、陰陽庁長官の幸蔵が作ったもんだ。これには認識阻害がかけられている」
「陰陽庁の長官がここに?」
「あぁ、この間の霊災調査でここに来てな、お前さんの事は、孤児院の件以外話してある。」
「なんか言われたの?」
「沢山、聞かれたし、言われたな…なんてったって4年間行方眩ませてたからな俺」
「うわー…それは流石に言われるよ師匠」
「その話は置いといて、幸蔵からお前さんに伝言だ」
「「ありがとう、そしてさらなる飛躍を期待するとともに同じ特級として顔を合わせられる事を楽しみにしている」だと、あいつに似合わない言葉を喋ってたよ」
「そっか…」
「俺さ師匠の養子になるんだろ?」
「急にどうした?」
「何時までも一人称が俺ってのもあれだし、これからは私にしようかなと思うんだけど…」
「プッ…あっはっは、あー、いいんじゃないかそれで」
「笑わなくてもいいだろう」
「それじゃあ、明日から吉備暁仁としてうちの屋敷に向かうからな、まず外の常識というものをある程度叩き込むから覚悟しておけ!」
「え〜、また勉強かよー」
「当たり前だ、今のお前さんは情報が足りなさすぎるからな」
「わかったよ、師匠…よろしくお願いします」
「おう、任せろ」
そして、俺は私となった。
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