第9話吉備藤助の心境

 ある孤児院に俺の跡を継ぐことできそうな子供が一人いると元上司から聞きそこへ訪れた。


 ちょうど、孤児院の近くの墓地に友人の墓があることを思い出しついでに墓参りに向かった。


「…ん?」


 友人の墓の前で、小学生ぐらいの少年が本を読んでいた。正直奇妙な少年だと思った。


 俺は気配を消しつつ少年に近づいて声をかけてみることにした。ほんの好奇心だった…


「おい小僧…本は好きか?」


小僧が読んでいる本は陰陽師に関する本だった… 


「おっさん誰?」


 警戒をしながら俺が何者か質問してきた。生意気な小僧だとそう思った。


 俺は自分の目で氣の保有量と小僧の才能がいかほどか確認することにした。俺の目は特殊でそいつが将来どれほどの実力者になるか見ることができる。


「ほう」


 答えはわからなかった。計り知れないというべきかもし小僧を俺の後釜にできればと思った。


 恐らく小僧は、氣に対して無意識に感じ取っている。その時、俺は見つけたそう思った。


「それと、小僧じゃねえ俺はあきとって名前がある。初対面の人にあったら名前を先に聞けよなおっさん」


 俺の小僧呼ばわりが気にくわなかったのかあきとは苛立を隠そうとせずそう名乗った。


 前の上司が後釜に相応しいと言っていた子供がそんなような名前だったはず…


「ほう…じゃあ、暁仁お前歳いくつだ?」


 年齢を尋ねることにした…


「7歳になったばっかだけどそれが何だよ」


 事前に貰った情報でやはりこの子だそう思った…これも何かの運命なのかも知れない。そう考えると同時にこの言葉を小僧に問うていた。


「お前、俺の弟子にならないか?」


俺がそう小僧をさそったら小僧はこう返した…


「あってそうそう弟子にならないかって聞くのはどうかと思うんだけどな…まず俺おっさんの名前知らないんだけど」


 やはり生意気な小僧だ…でもそんなとこが俺は気に入ってしまった。とりあえず俺も名乗っておくか


「あぁ、名乗ってなかったな俺の名前は吉備藤助だよろしくな」


 俺は期待に胸を膨らませながら自分名前を暁仁に名乗った。これがまるで運命だというかのように…



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