第7話

 本日の師匠との修行を終え辺りは真っ暗になっていた為急いで孤児院へと帰った。


「た、ただいまー」


俺が小さい声でそっと玄関のドアを開けると


「お帰りなさい、あきちゃん」


 そう言って怖い顔で笑顔を浮かべて待っていたのは俺の担当卯野さんだった。


「いっ、嫌〜卯野さんちょっと色々あって遅れちゃってさ…」


「んっ?」


「ひっ、すっ、すみませんでした」


そう言って俺は盛大に土下座した


「はー、土田さんから何がやってるかは聞かないであげてと言われているけどあきちゃんの保護者としてはとても心配なんだよ…全く」


「ごめんなさい」


「今回はいいけど17時までに帰ってこなかったら次はペナルティをかすからねいい?」


「わかりました気をつけます…」


「今食事の時間だから行っておいで」


「はい」


俺は食事をしに食堂へ向かった


「はぁ〜」


「どうした、そんな溜め息ついて俺の食事が不味くなるだろやめろ」


「秀一、お前は俺を心配してるのかそれとも貶してるのかどっちなんだよ」


「暁仁、あんた最近食事の時間ギリギリに帰ってくるわよね。しかもそんなにボロボロになって、何をやってんのよ」


「雪、言えないんだがこれには深い理由があってだな」


「どうせ大したことのない適当な理由だろ」


「よしっ、秀一表にでろその喧嘩買ってやる」


「食事中ですよ〜落ち着いてください暁仁」


「っ…わかったよ霞」


「全く、君達は落ち着きというものがないのか」


「うるさいぞ竜太」


「黙りなさい竜太」


「うるさいぞ竜太」


「泣かないでくださいね竜太」


「僕は味方だからね竜太」


「君達3人は相変わらず僕の扱いがひどくないかなあと、霞と優斗は無理に励まさなくてもいいからね余計辛いからね僕」


「それにしても暁仁、最近本当に何してるのさ今日もどうせ卯野さんに怒られたんでしょ」


「っ…優斗それはわかってても言わない約束だぞ」


「そんな約束はないだろ奈々が最近お前が遊んでくれないって泣いてるんだ…明日カリキュラムが終わった後遊びに行ってやれ」


「秀一、お前俺の妹優しいのに俺にはドスの効いた言葉をかけるよな…わかったありがとな明日妹がいるホームに行ってみるわ」


「「「「「ドMだ!」」」」」


「そういう意味でありがとうって言ってねえからなお前ら💢」


「まぁ、奈々ちゃんと遊べるの1時間だけだから時間気にしなきゃ駄目よ」


「わかってるよ雪」


「さてと、食事も終わったことだしお風呂に行きましょう」


「雪姉は、本当にお風呂が好きですね〜」


「当たり前じゃない。霞今日は私と一緒に入ってもらうわよ」


「喜んで〜」


「俺達も風呂入るか〜」


「ライバルよ消灯時間22時までに何をする?」


「俺はチェスでもしようかなお前らは?」


「僕も付き合うぞ暁仁」


「僕も仲間に入れてもらっていいかな?」


「いいぞ優斗、後竜太お前は俺には勝てねえよ」


「それで負けたら笑いものだな」


「っ…秀一せっかくだからお前もやれよボコボコにしてやる」


「いいだろうたまには付き合ってやろう」


「仲いいわね2人共」


「「仲良くなんてない」」


「秀一兄さんも、暁仁もそう言いながら息ぴったりじゃあないですか〜」


「とりあえず風呂に行きましょうか」


「暁仁どっちが長く風呂につかれるか勝負だ」


「それじゃあ解散」


 そう言ってそれぞれ風呂に入るべく別れるのであった。






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