第4話
それぞれが孤児院での毎日を過ごしてくうちに9月中旬を迎え季節は秋になり、まわりの山々は紅葉の時期を迎えようとしていた。
「あ~ぁ、今日のカリキュラムも終わったし何しようかね」
孤児院では、大人になってから困らないよう身寄りのない子供に最低限の教育が行われている。
子供は平日の午前中にカリキュラムを受けるがそれぞれが内容と時間が異なるため俺は雪と秀一が本日受けるカリキュラムを終えていなかったのもあり暇をもてあわせていた。
「そういや〜…確か後、2週間たったら竜太が言ってた新しいカリキュラムが始まるんだったか?」
「新しいカリキュラム陰陽道って内容だったけ?自習室にある本にそんな内容の本あったけな?」
そう独り言を呟きながら、俺は自習室に向かい陰陽道に関する本を探すことにした。
自習室には沢山の本が置いてあるが、孤児院がこの大量の本をどこから手に入れてきたかは、俺だけでなく他の奴らも誰も知らない。
「え~と…どっかにあるとは思うんだけどな」
「ん?なんだこの本」
そう言って見つけたのは一冊の赤い本だった
「面白そうだから読んでみるかね…ただ本読んでる時に他の奴らに邪魔されたくないしな」
頭の中で一人の少女が浮かび上がる
「よし、いつもの場所で読むか…」
俺は孤児院から歩いて3分くらいにある広い墓地に向かった…
孤児院の隣にはお寺があり、そのお寺の裏には広い墓地が広がっている。俺が静かな場所を探している時に見つけた。墓地が広い割には人がほとんど寄り付かないため天気がいい日はそこで読書をしている。
「まぁ、他の人間からしたら完全に変な奴だと思われるだろうな〜」
そう思いつつ墓地の奥の方まで行き適当に腰を下ろした。
「罰当たりだろうがここに座るか…」
俺は最近できたかのような綺麗な墓の階段に座り本を読み始めた
「え~と、内容はなんて読むんだ?陰陽師と魑魅魍魎についてか、シンプルな題名だな」
「この世界に魑魅魍魎という化け物が溢れておりそれを退けることを仕事とするのが古来の陰陽師である。陰陽師は日本にだけ存在する組織で海外では呪術師やエクソシストが活動している」
「魑魅魍魎とは世界中に古来からいた伝説の怪物と言われていたが、第三次世界大戦中に突如大量発生し、戦時中だったこともあり当時世界中に大きな被害と犠牲により終わりを迎えたと思われてたが、頻繁に様々な色の光が地面から立ち昇り年々その回数が増えている。人はこれを霊脈と名付けその霊脈の乱れにより起こる災禍を霊災と呼ぶこの霊災がおこると大量の魑魅魍魎が出現し、霊災の大きさにより怪物達の強さがより強力になる毎度陰陽師側に多数の犠牲者をだしているため毎年陰陽師の数が減少し人手不足が問題となっている」
「陰陽師が使う技術を陰陽道と呼び現代では陰陽道が一般の生活でも役立つことがわかったため他の分野でもこの陰陽道は使用されている」
「霊災には危険度が分かれており人類は危険度を6段階に分けた」
一番下が、霊災この霊災は一般人でも対処可能
その次は、中級霊災陰陽師の陰陽師資格習得したての4級陰陽師5名にでの対処が可能。
上級霊災、4級陰陽師7名〜10名に加え3級陰陽師3名程いなければ対処不可能
第2級霊災、4級陰陽師では対処不可能、3級陰陽師10名以上に加え2級陰陽師5名以上での対処が必要
第1級霊災、2級陰陽師以上でなければ対処してはいけない、2級陰陽師20名以上に加え1級陰陽師8名又は特級陰陽師2名での対処
特級霊災、現状日本だけでは対処不可能他の国との強力が必要、特級にも霊災の大きさが違うため下手をしたら国が滅ぶか世界そのものが崩壊する
「…過去に特級霊災が起きたのは第二次世界大戦を合わせて3回どれも大規模的霊災でその中の1回は世界の人口80億人のうち20億人の命が失われいくつもの国が滅んだか…」
「普通にヤバいな最後の特級霊災が150年程前ね〜よくこの国よく残ったな」
「現在の世界人口は75億人よく150年でよくここまで増えたもんだ」
「でも、俺まだこの怪物見たことないんだが…
どんだけ危険な化け物なんだ?」
怪物の危険度は10段階もあるなえ~と
9級〜特級までの10段階、1級〜特級は特級霊災に
しか現れないか…
最下級〜8級は下級霊災
中級霊災は8級〜6級
上級霊災は6級〜5級
第2級霊災は5級〜4級
第1級霊災は3級〜2級
「やばくね〜か?しかも霊災後に残った化け物が野生化してるとか書いてあるな、何処かにひっそりと潜んでるとしたら生態系は今無茶苦茶なんじゃ…」
「考るだけで頭が痛いな、他の本読んで頭おちつかせるか…」
そう思っていた時だった
「おい、坊主本は好きか?…」
「!」
そこに立っていたのは40歳くらいの黒い着物に黒いみっともない髭を生やしたおっさんだった…
「おっさん、誰寺の人?」
「いいや、友人の墓参りにここに来ただけだ」
「そっか、そりゃすまないことをした。」
「じゃあ、俺はこれで」
そう帰ろうとした時…
「待て坊主、お前何処の子供だ…」
「寺の隣に孤児院あるだろそこで暮らしてる」
「それと、坊主じゃねえ俺はあきとって名前がある。初対面の人にあったら名前を先に聞けよなおっさん」
「ほう…じゃあ、暁仁お前歳いくつだ?」
「7歳になったばっかだけどそれが何だよ」
「お前、俺の弟子にならないか?」
「あってそうそう弟子にならないかって聞くのはどうかと思うんだけどな…まず俺おっさんの名前知らないんだけど」
「あぁ、名乗ってなかったな俺の名前は吉備藤助だよろしくな」
これが私と師匠の出会いであり、私の人生の始まりでもあった。この先何が起こるのか当時の私は考えてもみなかった。
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