第2話 朱緋高校

9月頃。

現在、北野は神奈川県にいる。


北野「あの人に言われて来たけど、本当に来ちゃった。」



県大会敗退後


謎の男「俺、神奈川の高校で指導者やってるんだけどさ、うちの練習に来ない?」


北野「え? 俺ですか?」


謎の男「うん。

でも、近頃は無理だから今度また連絡するわ。

連絡先交換してもいいか。」


そう言うと、北野は謎の男と連絡先を交換した。

連絡先の名前には[神宮寺]と書いてあった。 

謎の男の名字は神宮寺らしい。



そして、現在に至る。

北野は今、駅前にいる


北野「駅前に集合って言われたけど、あの人どこにいるんだろう。」


女子「キャー!

連絡先教えて!」


北野は声の方を見てみると女子がいっぱい集まっていた。


神宮寺「ごめん。

これから用事あるから。」


女子から逆ナンを受けていたのは神宮寺だった。

神宮寺の顔は世の中で見てもかなりのイケメンだ。


神宮寺は誰かを探している。

神宮寺が北野を見つける。


神宮寺「あっ、いた。 おーい北野!」


北野「こんにちは、神宮寺さん。」


神宮寺「じゃあ行こうか。」


北野は神宮寺の車に乗り込み、神宮寺がコーチを勤めている高校に向かった。



車内。


北野「あの、神宮寺さんの下の名前ってなんなんですか?」


神宮寺「あれ言ってなかったっけ?

匡(きょう)だよ。

そういえば北野の名前知らねえわ。

名前なんて言うの?」


北野「吾です。

おばあちゃんがつけてくれました。」


神宮寺「いい名前じゃん。

おばあちゃんか、おばあちゃん好きか?」


北野「はい。

小さい頃から両親が共働きでおばあちゃんがいつも面倒見てくれてました。

試合のときとかは、送迎とかしてくれました。

あの試合はおばあちゃんが見てくれてたのに、不甲斐ない結果に、」


あの試合とは県大会の1回戦の黒龍中との試合だ。


神宮寺「どうせ過去は変わらないんだ。

悔いてもしょうがない。

それに、今年の全国大会の準優勝校分かるか?」


北野「準優勝校は黒龍中ですよね。」


神宮寺「そうだ。

全国準優勝に6点差は頑張ったほうだろ。」


北野「でも、僕は点差とかよりも黒龍中が準優勝なことがびっくりしました。」


神宮寺「下馬評じゃ完全に黒龍だったもんな。

でも、今年の優勝校は宮城の亀田高校(きだこうこう)。

まぁ黒龍が負ける気はしてたけど、」


北野「え? なんで? 世間の評価も完全に黒龍だったのに。」


神宮寺「理由は主に2つ。

まず、夏に弱すぎだ。

お前らとやった試合しか見てないが、後半から明らかに強度も落ちたし、競り負けていた。

攻撃面でも、前半4点も取れたのに後半は2点だ。

あれじゃ、全国で夏は勝てない。」


北野「もう一つは?」


神宮寺「もう一つは、10番に頼りすぎだ。」


10番とは黒龍中の右ウイング佐竹剛のことだ。


神宮寺「あの10番はたしかにすごい。

マスコミは[黒龍の史上最高傑作]とか言ってるしな。

だけど、他のアタッカーは明らかにあの10番のレベルに達してない。

たしか、決勝の結果は2-2のPK戦で茶鳥が勝利したはずだ。

その黒龍の2得点は10番。

準優勝、準々決勝も黒龍の得点のすべては10番だ。


黒龍は中高一貫校だ。

来年、あいつは黒龍高校に内部進学だろうから、あの10番の学年はこれからどれだけ10番に頼らないかが肝だな。


そう言ってるうちに着いたぞ。

ここが俺が勤めてる学校、朱緋高校だ。」



北野と神宮寺は朱緋高校に到着し、サッカーコートに向かった。


北野「たしか、中高一貫校ですよね。」


神宮寺「ああ。

てか言ってなかったっけ、朱緋中学は今年の全国大会出場だ。」


北野「え? えっ!」


神宮寺「全国大会は2回戦で負けたけどな。

でも、関東大会で黒龍と試合したんだぜ。

4-1で負けたけど、お前らよりは善戦してたぜ。」


北野「そんなところに練習参加するんですか?」


神宮寺「大丈夫 大丈夫。

まぁーでもあれか、ペナ内のシュートをバーに当てることがなければ大丈夫だ。」


北野「それはあんまり言わないでください。」


神宮寺「ごめんごめん。

あれは思い返させちゃだめなやつだな。

まぁー、あーいうシュートは


ボールにしっかり当てるだけだよ。」



2人はサッカーコートに着いた。

しかも、サッカーコートは緑色の人工芝だ。


北野「え、サッカーコートって芝なんですか?」


神宮寺「たしか、本校のOBが金持ちで最近作ってくれたはずだ。


あと、言ってなかったけど今日は高1とおまえと同い年の中3と練習するからな。」


北野「それぞれの学年に何人いるんですか?」


神宮寺「高1と中3がどっちも10人ずつだったはずだ。」



神宮寺と北野はコートに入る。

すると、


朱緋のサッカー部「神宮寺さんこんにちは。」


神宮寺「よっ、ちょっとみんな集めてくんね。

秋守」


今、神宮寺に挨拶したのは朱緋中学の3年生、秋守蒼(あきもりあおい)。

朱緋中学のキャプテンだ。


神宮寺に朱緋の高1と中3が集まる。

神宮寺が話し始める。

神宮寺が北野に指を差す。


神宮寺「こいつが言ってた北野だ。

今日は練習参加するから、挨拶して。」


北野「え、えー。

千葉県から来ました北野吾です。

よろしくお願いします。」


挨拶にしては少し声が小さい。


全員「………。」


北野「(これは挨拶失敗?)」


秋守「よろしくな北野。 俺は秋守。

今日は練習頑張ろう。」


北野「う、うん。」


北野は安心した。

北野の練習参加が始まる。







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