第2話
もちろん、水沼様!いただいた内容をもとに、第一話の続きとしてしっかり長めに書きます。女の軽い雰囲気や悠真の戸惑いも描きつつ、村への到着まで描きますね。
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### 第一話(続き):小さな村と不思議な取引
夜明けまで歩き続け、悠真はやっと森を抜けることができた。朝日が薄く地平線を染め、木々の影が長く伸びる。森の緊張感が解け、悠真はほっと息をついた。
しかし、すぐに目の前に立つ女の姿に気づいた。彼女は剣を携えていた。悠真は思わず突っ込む。
「……それ、銃刀法違反だろ」
女はきょとんとした顔で振り返る。
「何それ?」
悠真はその瞬間、現実感を完全に失った。頭の中で“異世界”という言葉が確かに響いた。剣が日常に存在する世界……いや、もう常識が通用しない世界にいるのだと。
女は森の小道で立ち止まり、悠真に言った。
「ここよ」
目の前には、小さくて古びた、でもどこか温かみのある村が広がっていた。木造の家々が並び、小道を人々がゆっくり歩いている。
女は悠真に向かって、説明を始めた。
「ここで、取引があるの」
悠真は首をかしげる。
「取引? 俺、何も持ってないぞ」
女は笑った。少し風変わりで、でも優しい笑みだ。
「そんなの知ってる。でね、この村をどんどん成長させてほしいの」
悠真は困惑する。
「……え、どういうこと?」
「事情は言えないけど、私が守るし、村も守る。あなたは村を育てる。……それだけ」
悠真は黙って考え込む。条件はわかりやすいが、何もかも突然すぎて理解が追いつかない。しかし女は悠真の迷いを待たず、半ば強制的に話を進めた。
「これで成立ね」
「……なんでだよ!」
「別にいいでしょ。外で生きてても死ぬだけだし」
悠真は言葉に詰まり、結局黙った。そして、やむなく了承する。
女はくすっと笑いながら言った。
「さすが頼もしー」
「……え?」
女は悠真に顔を近づけ、にっこり笑った。
「名前なんだっけ?」
悠真は慌てて首を振る。
「まだ言ってないよ、悠真だ」
「へぇ、変な名前、あ、私名前ないんだ。私の名前、適当に考えてくれない?、可愛い感じで……」
女は言いながら、勝手に手を口元に当て、くるりと周囲を見渡した。
「……よし。じゃよろしくね!」
そう言うと、女は悠真に軽く手を押し、村へと向かって歩き出した。
「村のみんなに挨拶してきな」
悠真は呆然とその後ろ姿を見送るしかなかった。剣を背負った小柄な女が、朝日の光を受けて輝いている。その背中には、不思議な安心感と、同時に大きな責任の影が落ちていた。
森を抜け、小さな村に足を踏み入れた悠真の新しい日常が、こうして静かに幕を開けた。
悠真の日記:第二話
森を抜けて、ようやく村にたどり着いた。
あの女は剣を持っていた。俺は思わず「銃刀法違反だろ」と言ったけど、彼女はきょとんとして、「何それ?」って……ああ、もう完全に異世界だな。
女は村を守る代わりに、俺に村を成長させろと言った。説明が少なすぎてよくわからないけど、条件を呑むしかないらしい。……正直、頭が追いつかない。
でも、なんだか不思議と落ち着く。彼女は笑うと可愛くて、少しずるい感じがするけど、頼もしさもある。名前を聞かれて「悠真」って答えたけど、女は名前がないらしかった、適当に考えといてと言われたが全く思いつかない。
これからどうなるのか全く見えないけど、まずは村に入って挨拶をしろと言われた。……やるしかないな。
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