黒歴史再び記念蛇足投稿ー記憶をつなごう

クライングフリーマン

記憶をつなごう

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

「記憶記録システム?」研究室の皆は笑った。所長以外は。

 アイディアは、実は所長だった。

 人間には「海馬」という記憶管理システムが存在すると言われている。

 記憶の倉庫、詰まり、「データベース説」もある。

 所長のアイディアは、PCのデータを記録する「補助記憶装置」があれば、「記憶喪失」になった人を救える、というものだった。

 スポンサーは嫌がった。「銭になる前に大金が必要だろう」と。

 硬式海士は、所長のアイディアを実現した。

 そして、自らが実験台になることを望んだ。

 所長である博士は、機械を海士のヘッドギアに接続した。

「このバックアップデータを『海馬』の『空き領域』にリストアすればいいんだとね?」

 海士は、頷くと、眼を閉じた。


 半日後。世界で、『憎まれている人物』が次々と暗殺された。

 日本の首相芝しげる、もその1人だった。

 国民からも、党内党外の議員からも、『幼稚な政策』に批判が集まっていた。


 研究室。所長以外は亡くなっていた。いや、暗殺されていた。

「どうして彼らまで・・・。」

「リストアされた『殺人リスト』には彼らも載っていました。彼らは、各国から送り込まれていたスパイだったのですよ、『お義父さん』。」


「これから、どうするんだ、海士。」

「地球を離れます。僕は、殺人鬼ということになりそうだから。今まで育ててくれてありがとうございました。」


 海士は出て行った。

 所長は、スマホを取り出し、電話した。

「今、出て行ったよ。手筈通り、ダミーのロケットを打ち上げてくれ。大したものだ。海士は、私が作った偽のデータ、詰まり私のデータを取り除いたデータのリストに従った。」

「宇宙人との交流は、まだまだこれからか。」

「そういうことになるな。」


 十数年前、海岸に落ちて来た飛行物体。実は、それが海士だった。

 海士の緊急システムは稼働していた。

 所長と友人の牧村は、緊急システムのマニュアル通りに行動した。

『殺人リスト』は、以前海士が地球にやってきた時に作成したものだった。


 とにかく、国のトップは『無事』暗殺された。

 所長は、久しぶりにドリップコーヒーの準備をした。


 ―完―


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黒歴史再び記念蛇足投稿ー記憶をつなごう クライングフリーマン @dansan01

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