3日前まで、彼女が居た男と私は付き合っていいモノなのか?
神石水亞宮類
第1話 3日前まで、彼女が居た男と私は付き合っていいモノなのか?
“3日前まで、彼女が居た男と私は付き合っていいモノなのか?”
最近知り合った男に、突然私は告白される!
【俺と付き合ってほしい!】
でも? その男の事をよく知ってる女友達から私はこんな事を訊く。
【3日前まで、アイツ彼女が居たわよ! もう別の女の子口説いてんの?】
・・・正直、3日前までは私の知らない女と付き合ってた男と付き合う
事に躊躇っている。
きっと女なら片っ端から口説いている男なのだろうと思ったからだ!
それなのに、“私は彼と付き合いたいと想ってしまう。”
私は昔から、【ダメな男が好きみたい】で。
所謂、“クズ男が好きなのだ!”
そんな男に何故か私は心惹かれてしまう。
だから私は即答で、“付き合ってもいいよ”と無意識に答えてしまった!
考える余地はない、もう既に私は“この男の彼女なのだ。”
クズ男にはクズ女がお似合いなのかもしれない。
【プルルルル プルルルル プルルルル】
『・・・あぁ、はい、』
『来ちゃった!』
『はぁ!?』
『“今、マンション前にいるんだよね、今から出て来れる?”』
『ど、どうやって、私の家が分かったの、教えてないじゃない!』
『“友達に聞いたんだよ、さあ、早く出てきて!”』
『・・・もぉ~じゃあ少し待ってて!』
『うん、出来るだけ早くね。』
『うん、分かった。』
私は急いで家を出れる格好に着替えてマンションの下まで行くと?
“アホずらした彼氏が車から降りて待っていた。”
『随分、早かったね。』
『まあね、急いできたから!』
『じゃあー行こうか。』
『“えぇ!? ど、何処に?”』
『取り合えず、コンビニで買いだめしようよ。』
『コンビニ?』
『いいから、車に乗って!』
『・・・・・・』
車の助手席に私が乗ると? 彼は音楽を流し始める。
これは、“助手席に女の子が乗った時にかける彼の18番の曲なのか?
盛り上がりそうな曲からラブソングまで、こいつは完全に常習犯だな
と私は確信してしまう!
『で? 一体、何処に行くのよ。』
『“いいところだよ。”』
『着くまで言わない気?』
『まあね。』
『何よ、もったいぶって!』
『取り敢えずは、コンビニに寄るけど、何処のコンビニがいい?』
『“何処のコンビニって?”』
『あのテーマソングがあるコンビニか? 7がつく所か? 青い色のコンビニ、
あぁ! テーマソングがあるコンビニ発見!』
『じゃあ、そこでいいわよ!』
『タラタラタラ~ン・タラタラターン♪』
『はいはい、それで、何買うの?』
『俺、おでん! ファミ○キ、カフェラテ、サンドイッチも買う? デザートは?
なんでも俺が奢るよ。』
『じゃあ、水でいい!』
『えぇ!? それだけ?』
『分かったわよ、デザートにプリンもいい?』
『いいよ。』
『じゃあ、アイスクリームもいい?』
『マジでーいいねぇ買いな~買いな~じゃあー行くか。』
『うん。』
こうやって、私がこの男に連れて行かれた場所は、、、?
“物凄くキレイな場所から見える夜景だった。”
まさか? この男は“女心まで分かるのか?”
女性が好きそうな所をよく知っている。
『“ねえ、来て良かったでしょ!”』
『ううん。』
『“なんだよ、嬉しいくせにー!”』
『はいはい、』
『“また二人で来ようね。”』
『さあ~どうかな? 考えておくわ。』
『そう、それでもいいか。じゃあー帰るぞ!』
『うん。』
この男は帰りもモリモリの曲で私を楽しめながら、私をマンション前まで
送ってくれて、しかも何もせず! そのまま“ばいばい”と言って帰って行った。
なんかそれが意外でもあり私は新鮮だったのだ。
“何もしない男もいるんだな”と拍子抜けしてしまう。
*
・・・ただその後も、突然! 私のマンション前まで来て、
私を時々外に連れ出してくれるこの男の狙いはなんなのだろう?
これはデートなのか? ただのドライブなのか?
私はこの男にとってなんなのだろう?
あれから3カ月が経つが、私は未だに彼に“キス”もされていない!
女としてこの男は私を見ていないのか?
まったく! この男が何を考えているのか私には全く分からないわ。
3日前まで、彼女が居た男と私は付き合っていいモノなのか? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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