第2話 噂のあの子

「貞子の白見さん」


第2話 「噂のあの子」



美加: (周りを見渡しながら道を歩く)気を付けてって言われてもどうすればいいんだろう…。


(美加は警戒しながら歩き、学校に着いた)


美加: やったー!今日は間に合った!


???: こ…こっちに…おいで…よ…。


美加: ん?(声が聞こえるほうを見る)


(体育館の裏側から声が聞こえてくる)


美加: 誰かに呼ばれてる…。でも…、体育館の裏には白見さんが…。


???: どうして来ないの…?(体育館の裏から聞こえてくる)


美加: でも…、私は絶対に行かないって決めたんだ!(走って校舎の中に入ろうとする)


(すると…、いきなり美加の体が動かなくなる)


美加: (全く動かない)(心の中: あ…あれ!?体が全く動かない…。)


(美加が誰かにか体を操られ、どんどん体育館の裏側へ行ってしまう)


美加: (心の中: か…、体が勝手に…。)


(美加が誰かに体を操られ、体育館の裏にある井戸まで来てしまった)


美加: (普通に体が動けるようになる)さ…さっきのなんだったんだろう…。


音: ヒュー…。(風が体育館の裏に入ってくる)


美加: と…とりあえず戻るか…。(戻ろうとする)


???: (井戸の中から聞こえてくる)来てくれたんだね…。


美加: (気になって井戸の中を覗いてしまう)誰か居るの…?


白見: みーつけた!(いきなり井戸の中から顔を出す)


美加: うわ〜!?(驚いて転んでしまう)


白見: (井戸から出てきて空中に浮く)あはは!驚かせちゃったかな?ごめんね〜!


美加: お…女の子が空中に浮いてる…。(ビビる)


白見: あらら〜、結構怯える子だったみたいだね〜。でも大丈夫!私はただの幽霊だよ!(美加に近付く)


美加: うわ〜!?来ないで!(白見から離れる)


白見: やっぱり人をビビらせるのは楽しいや!


美加: (怯えながら)あ…あんたの名前は…なんなの…?


白見: ん?私の名前?知りたいの?


美加: う…うん…。


白見: 私の友達になってくれるなら教えてあげる!もし友達になってくれなかったら君を呪うよ!(笑顔で普通に答える)


美加: あわわ!?えっ…えっと…、友達になる!!(思わず答えてしまう)


白見: 言ったね?じゃあ教えてあげよう…。私の名前は「小島 白見(こじま しらみ)」だよ。聞き覚えあるかな?


美加: し…白見!?(もっと白見から遠ざける)


白見: おー!やっぱり私の名前知ってたんだね!じゃ、君の感想は?


美加: ……。


白見: あれ?どうしたの?(美加に近付く)


美加: お前…(白見の頭を掴む)


白見: あれ…?人間は幽霊に触れられないはずなのに…。(美加に頭を掴まれている)


美加: 私を怖い思いにさせないで!!(白見を放り投げる)


白見: !?(放り投げられるが余裕で地面に着地する)おっと?君は力が強いみたいだね?


美加: そんなことは今関係ない!(白見に近付いて)私に怖い思いをさせたら殴り殺してあげるわ!


白見: もしかしたら私より怖いかも〜?って私はもう死んでるから殴り殺せないよ〜?(笑う)


美加: あ……。(切り替えて)とにかく!私をいじめないでね!


白見: はいはーい!(素直に賛成する)


美加: じゃ、私は学校に行くからここで待ってなさいよ!(体育館の裏側から出て校舎の中に入ろうとする)


白見: やっほー!(美加の後ろから抱きついてくる)


美加: うわ〜!?(ビビって白見を殴る)


白見: あはは!ビビってる〜!


美加: ‪💢‪‪💢‪。あのさぁ!さっき井戸のところで待ってなさいって言ったばっかでしょ!


白見: あ〜ごめん!すっかり忘れてた☆


美加: じゃあ校舎の中には絶対に入らないで!(校舎の中に入る)


白見: うん!分かった!(軽く答える)


(数時間後…)


景色川先生: これはこうして…、あれはこうして…。(黒板に文字を書いている)


美加: (ノートに書きながら)(心の中: 最近の授業難しいな…。)


白見: へぇ〜?難しいの?(美加の目の前に現れる)


数気: ……。(美加のほうを見る)


美加: (小声で)なんで居るのよ…。


白見: 難しかったら私が教えてあげるよ〜!


美加: (小声で)へぇ〜?じゃあ答えてみてよ。


白見: OK!(美加のノートを見て)……。(黙っている)


美加: (小声で)どう?分かった?


白見: ごめん!分かんない!


美加: (小声で)やっぱりね。それに授業中には私に話しかけないで。


白見: はいはーい!(素直に賛成する)


(数時間後…)


美加: (給食を食べながら)(心の中: うん、やっぱり給食はいつも美味しい…。)


白見: えっ!美味しいなら私も食べたい!(美加の目の前に現れる)


数気: ……。(美加のほうを見る)


美加: (小声で)まだ居たの…?


白見: うん!ねぇねぇ、そのスープ美味しいんでしょ?


美加: (小声で)うん、まぁね。


白見: それじゃあいただきま〜す!(スープを食べる)


美加: (小声で)うわぁ!?ちょっと何してんのよ。


白見: うん!美味しかった!(スープを机に置く)


(スープは全然減っていなかった)


美加: (小声で)あれ?さっき食べたはずじゃなかったの?


白見: いや、一応あれは食べてるよ?


美加: (小声で)あれって…?


白見: とりあえずスープ食べてごらん?


美加: うん…、分かった…。(スープを食べる)……、味がしない…。


白見: その代わり、「味」を食べました!


美加: 最低ねあんたは!


クラスの人達: ???(美加のほうを見る)


美加: (小声で)次からは私が学校にいる時には話さないで。


白見: 了解☆(素直に賛成する)


(次の日…)


景色川先生: えー、次はこの問題です〜。全部で50問あるので解き終わったら提出してください。


美加: (心の中: うわ…、小テスト授業の中で1番めんどくさいんだよね…。)(小テストを少しずつ解いていく)


数気: ……。(前を見ながら何か言いたそうにしている)


美加: (数気のほうを見て)(心の中: そういえば数気、私と白見が話してる時いつもこっち見てる気がする…。でも今はなぜか前を見て恥ずかしそうにしてる…。前になんかあるのかな…?)(前のほうを見ると…)うわ…。


(白見が黒板に落書きしていた)


景色川先生: (集中して本を読んでいて、白見が黒板に落書きをしている事に気付いてない)


白見: まっ、バレなければいいよね〜。(チョークを持ちながら黒板に何かの絵を書いている)


美加: (心の中: な…何書いてるんだろう…。)(しばらく前を見ていると…。)


(白見が化け狐と小さな少女の絵を描いた)


美加: (心の中: な…何それ…?)


白見: いつか、出てくるよ。


美加: (心の中: えっ…?)(全く意味が分かっていない様子)


白見: よし、消そ〜っと!(黒板消しを持って描いた絵を消そうとする)あ…。(チョークを落としてしまう)


音: パキッ!(チョークが落ちて割れる音)


景色川先生: ん?(物音で黒板を見てしまう)


白見: うわっ!?(急いで黒板消しをもとの位置に戻す)


(まだ白見が描いた絵が黒板に残ってた)


景色川先生: おい、黒板に落書きをした奴は誰だ?正直に答えろ。


白見: げげ…。(慌てる)


美加: (心の中: 完全にやってるな…。)


数気: ……。(何かを言いたそうにしている)


(数時間後…、「昼休みの時間」…)


(屋上で…)


美加: ねぇ、なんで黒板に落書きなんかしてるの?


白見: ん?あ〜、なんか思い出したことを絵に書きたくなっちゃってね。


美加: 思い出したこと?そういえばあの少女と化け狐ってなんなの?


白見: まだ教えない!


美加: え〜なんで?


白見: まぁ、あの事はいつか分かることだし…。あっ!そういえば君の名前聞いてなかったね!名前何?


美加: 私は「花坂 美加(はなざか みか)」よ!


白見: ふーん、美加ねぇ〜。じゃ!美加はしばらく私とある問題を解決してもらうからね!


美加: ある問題って…?


白見: それはね…。


音: バタン!(いきなり屋上のドアが開く音が聞こえる)


美加: だ…誰か来る!(ドアのほうを見る)


数気: (美加達のほうに近付く)美加さん…、会ってしまったんですか…?白見さんと…。



次回 第3話 「恐ろしい悪霊?」

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