海に住む博士

圓山達也

海に住む博士



海に住む博士に会って聞いてみるちかちかしている日の眠り方


とうめいな何かが迷い込み水平線に沿って逃した 生きて


夢で見る蛍光灯の明るさでもらった愛を手放しなさい


福音を 愛し続けた式一つ書かれた紙を濡らして 待とう


飛ぶ鳥が気圏の上を盗み見て望みすぎたと高度を下げる


触れてはいけない 囁くような声刺さり出した右手が珊瑚のようだ


みぎわだけ輝度が異なる異空間 はしゃぐ理由はそれだけでいい


少年の夏と戦う気配して草を集めて坐す昼日中ひるひなか


夕暮れが季節を閉ざすと知ったこと ひどく斜めに車道を渡り


分身を電線上に走らせてサファイア色の風を纏った

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海に住む博士 圓山達也 @utsusemi-03

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