第8話
アマリリスはフララスを見つめながら、やや柔らかいけれども確固たる口調で言った。
「しばらくここにいてもいいよ。なんなら、ずっといてもいい。うちの親はあまり気にしないタイプだから、ずっといても構わない。ただし、あのコンコースから飛び降りるつもりだったら、絶対に許さないけどね」
フララスは小さく肩をすくめ、低い声で答えた。
「私一人、消えても誰も困りはしませんよ。私は光を失った神ですから。その光を必要とする人はほとんどいません……というか、いないです」
アマリリスはその言葉に眉をひそめ、しかし表情を崩さず、毅然と告げた。
「これは命令です。あなたは生きるべきです。生きないとダメ。これは絶対命令で、あなたは拒否する権利がない、ということを理解しているなら、今から食事に行きましょう」
フララスはわずかに目を見開く。
「食事……ですか」
アマリリスはにこりと笑い、部屋の出口に向かって手を伸ばす。
「そう、下で親が食事を作ってるんだ。何か食べようよ。まだ、ここでずっと泣いている場合じゃない。光の神としての力が戻るかどうかは分からないけれど、とりあえず生きることが先決だよ」
フララスは一瞬、ためらったように立ちすくむが、アマリリスの強い眼差しに押されるようにして、そっと立ち上がる。二人は静かに階段を下り、アマリリスの両親が用意してくれた温かな食事の香りが漂うダイニングへと歩みを進めた。
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