第6話
アマリリスはオレンジジュースのグラスを置き、じっと少女を見つめた。
「あなたが、自殺を試みようとしている存在だとしても……もし私がそれを放置して、自殺を完成させたら……私は罪に問われる。それに、あなたの自殺を完遂させるわけにはいかないよ」
言葉に力を込めながら、アマリリスはさらに付け加えた。
「だから……私はあなたを、私の家に連れて帰らせてもらう。ただし、質問は許さない」
少女は、少しだけ口元を緩め、可笑しそうに微笑んだ。
「オレンジジュースも頂いたし、あなたに貸しを作ったから……私は、どうでもいいですけど」
アマリリスは息をつき、安堵のような表情を浮かべると、ゆっくりと頷いた。
「なら、賛成ってことね。よし……じゃあ、ジュースを飲み終えたら、私の家に行こう。私の家は父と母と私の三人暮らしの普通の一戸建て。部屋は私の部屋があるから、そこに来ればいいよ。とりあえず……ジュースを飲み終えたら行こう、構わないよね?」
少女は小さく頷き、二人の間に少しの静寂が流れた。
オレンジの香りが漂うカフェのテーブルの上で、残る微炭酸のジュースが揺れる。二人は、言葉を交わさずとも、今後の行動に心を決めていた。
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