第3話
「タイムマシーン」
第三話 前編
「もう一人のトラベラー」
あの日から、早くも、数ヶ月が過ぎ、季節は粉雪が舞う、初冬に入っていた。
そして、、
何と、何と、、
俺は念願の想いを叶えたのだ!
そう、、
俺は手を繋ぎ、麻衣ちゃんと通学する仲、つまり、付き合う様になっていたのだ。
「麻衣、おはよう、ほら、これ! 寒くない?」
そう言い、ホッカイロを渡した。
「ありがとう、優君は何で周りと違うんだろう。。私って幸せ者だな〜。テヘッ」
彼女は嬉しそうに、だが、不思議気に、こちらをジーッと眺めた。
登校中、明や色んな仲間に出会う。
皆、良いな〜、麻衣ちゃん可愛い過ぎ〜
優君、何か格好良い感じだよね、最近!
等等、聞こえてくる度に俺の中の高揚感は高まる。
さて、その日は朝から体育の授業だった。
サッカーの授業で、皆がキーパーをやりたがらない中、俺は進んでやったり、審判をしたりと、まぁ面倒くさいのをするのが役目になっていた。
また、途中、転んで膝を擦りむいたりした生徒を保健室に連れて行ったり、、
そんな中、女子の方も見てみると、、
お! 流石!
麻衣ちゃんは持ち前の運動神経と俊敏さで、2人、3人と交わし、見事、シュートを決めた。
俺が見ていたのに気付くと、少し照れた様子で小さな手でピースをしてきた。
俺は何だか可愛いく、愛しい妹を見る様な感覚を覚えた。
だが、、何だか他の女子達が何だかゴタゴタ言っている様子だ。
「麻衣ちゃん、うちらにもパスしてよー!」
「どうせ、麻衣ちゃんが1番だからね〜」
なんて嫉妬や皮肉混じりにボヤいている。。
優しい麻衣は、ごめんね、パスもっと渡すねと、謝っていた。
すると、その時だ。
麻衣ちゃんの親友の岩瀬美里が、不平不満を言う女子達に、「別に、パス貰いたかったら、あんたら、自分で試合中に、パス!って言えば良いじゃない? 何で麻衣の事を責めるの? 止めなよ、そういうの? ダサ過ぎ。」
余りにも的を得ている彼女の言葉に、彼等は文句1つ言い返せないでいた。
「麻衣、大丈夫よ?ね!」
親友の岩瀬に言われて、麻衣ちゃんの、いつもの笑顔が戻った。
凄いなぁと俺は感心した。
昔から、麻衣ちゃんの次に可愛いくて、勉強もクラス1位、2位を争う位に成績も良かったのを覚えている、おまけに麻衣ちゃんと同じく、リレーの選手でもあったなぁ。。
そんな感じに昔を思い出していると、何か強い視線を感じた。
岩瀬?
彼女がジッと俺を見ていた、何かを探る様に。。
そして、放課後、今日も麻衣ちゃんと手をつなぎ、帰っていると、後ろから、ポンっと彼女の肩を叩く手があった。
「あ、美里!」
岩瀬だった。
「良かったら、今日3人で帰らない?」
「う、うん。 後、美里、今日はありがとう、体育の時間。」
「なんもなんも! あんな連中の言う事なんか気にしちゃ駄目よ、麻衣、ね?」
何だか周りの同級生達よりも、数歳差もある様な姉の様な感じた。
歩く事、数分、やがて麻衣ちゃんの家に着き、今日も彼女を無事に帰すと、俺の家と同じ方向と言う事もあり、俺は岩瀬美里と帰路を歩いた。
すると、彼女の家に着いた瞬間、岩瀬はジッと、俺の瞳を見つめ、問いかけてきた。
「あなたもトラベラーでしょ?」
ドキッとした俺は聞き返した。
「どうして、、、分かったの?」
「そりゃあ、貴方、あんな大人っぽい発言や、日頃の行動で、バレバレよ。」
続けて彼女は話した。
「いい? 貴方が思ってるより、この世界にも、もしかしたら、校内にすらも私達以外にもタイムトラベラー達がいるかもしれにないのよ?」
更に彼女は眼を険しくして、小声で話した。
「特に髑髏の騎士達には、絶対に見つかっちゃ駄目よ! まだ、戦闘経験すら、ないでしょ、貴方?」
髑髏の騎士、、
何だか、その名を聞くだけで、本能からか悪寒と冷や汗が止まらなかった。
やがて、粉雪は徐々に勢いを増し、吹雪へと代わり、ビューーっと周囲の木々たちが震える様に揺れていた。
キュン
–
尊い
–
ぐっときた
–
泣ける
–
好きです
2
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作品コメント
4件
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R太郎
2023年10月30日
y.kato さん、いつも、読んで下さり、しかも、コメントまで、、、本当に嬉しいです! 本当にありがとうございます(*^^*) フフフ、何を隠そう、、私もとある駄菓子屋にて、、、フフフ! 次も速攻で載せるので是非是非、ご覧下されば、とっても嬉しいです(^^) R太郎(*^^*)
y.kato-channel
2023年10月30日
本当によく書けてる話ですよね! 好奇心を刺激する、 面白い作品だと思います! というか、 また読みに来ました! あなたもトラベラー? 岩瀬美里も?
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