第2話
「タイムマシーン」
第二話
「輝く道〜黄金の刻 Never Stop!」
「ほら、優、ご飯早く食べて、学校行きなさいー!」
ムニャムニャ
母の、声で目が覚め、顔を洗いに洗面所に向かった。
鏡に映る自分を、見て、やはり、本当にタイムスリップしたのだと実感する。。
ピンポーン、「お、明、おはよう。」
「おはよう、優! 今日は国語が一時間目にあるね!」
懐かしいなぁ、そういや、小学校を卒業するまで、毎日、明と登校していたなぁ、、良い奴だったな〜。
「ん?どうしたの明?」
「あ、いや、別に」
そう言えば、この位の歳が一番楽しかったな〜、、
そんな風に懐かしさに浸っていると、校舎に、着いた。
クラスに入ると、まだ、あどけない顔をした生徒達がワイワイとはしゃいでいる。
その中でも、一際上品に、机の上に鉛筆や消しゴム、ノートを用意して椅子に背筋をしっかりと伸ばし、座っている小柄な可愛い三つ編みの、髪型をした少女の姿があった。
あぁ、、
俺の胸中にキラキラと、懐かしい想いが馳せる。
麻衣ちゃんだ、、
最後に会ったのは中学の卒業式の時以来だから、十年ぶりの再会だった。
「あ、おはよう、優君。」
「あ、お、おは、おはよう!」
俺は余りの嬉しさに声が裏返ってしまった。
そうだ、あの日々、俺は超ラッキーな事に彼女とは、席が隣だったのだ。
赤面する俺に、麻衣ちゃんはクスッと可愛く微笑んでくれた。
幸せだー!
嬉しいな〜
だが、海の事を時折、思い出して、罪悪感の様な感じもした。
キーンコーンカーンコーン、
おっと、授業の時間だ。
当時、俺が父の様に慕っていた、担任荻野(おぎの)先生が、チャイムと共に、教室に入ってきた。
「は〜い、おはよう皆〜!今日は一時間目は国語だったね、皆には、今日は27ページから、一人ずつ、読んでもらおうかな、ちゃんと、漢字は読める様になったかー、皆!ワハハハ!よし、じゃあ、麻衣ちゃん、読んで!」
「はい。」
「〜は、〜で、だから、私達は常に他者を思いやる気持ち、命の大切さを、しっかりと理解しないといけないのです。」
何かの戦争がテーマの話だ。
あぁ、大きな二重まぶたに、スッと伸びた鼻、小さな顔に小さな唇。
その容姿から、放たれる言葉が一つ一つ美しく、まるで何か芸術の様に感じる。。
皆、男女とも、羨望の眼差しの様な目で、見ているのが分かる。
「はい!じゃあ、隣の優、戦争って、今改めて、どう思うかな?」
俺は荻野先生に、質問され、まぁ、ごく一般論だが、彼女の手前、少し格好つけて答えた。
「戦争とは人間がしうる事で、一番あってはいけない事です。人の、命は何よりも、尊い。ですが、一部の権力者達の、身勝手な都合で、私利私欲の為に、あっという間に数千、否、数万の命を大量に奪ってしまう、、それほど愚かな物は他に類を見ない現象だと思います。」
あ、つい、大人口調になったか、、
俺は周りに何かを悟られない様に、そこで意見をストップした。
だが、、周りは、小学生、まだ中学年。。
皆は呆気に取られた様なポカンとした顔をしていた。
「ん? 優、素晴らしいなぁ、誰か大人に聞いたりしたのかな?」
先生の問いに、俺は、テヘヘ、いゃあ、まぁ、兄の、受け売りでして、なんて、誤魔化した。
麻衣ちゃんは、キラキラした眼で、だが、どこか不思議な感じに俺の事を見つめていた。
(ヨッシャー!!)
心の中で歓喜を上げた。
そして、給食の時間になり、その日は皆の大好きな、カレーライスとプリンの出る日だった!
席に皆、いつもより早く座り、急に活気づくのだ。
俺もあの献立の日は心からワクワクしたのを覚えている。
男子も女子も適当に机に布を引いて、「早く食べたーい!」
「カレー!プリン!カレー!」
とサンバの様にリズミカルに叫び、彼等の胃が本能が、早く口に入れたい、と待ちわびている。
そんな中、上品な麻衣ちゃんでも、プリンにジーッと目が行っている。
俺はとある事を思いついた。
本来の精神年齢は、25歳、プリンに別にあの頃の様な未練はない。
皆が給食を食べ終える頃には、小柄な麻衣ちゃんも、カレーもプリンもペロリと食べ、とっても嬉しそうだった。
そこで、放課後、、
まだ冷えたプリンを麻衣ちゃんに「いつも、勉強や色んな事、お疲れ様、これ、特別にあげる。無理し過ぎないでね! じゃあ、またね、麻衣ちゃん!」
と、いかにも爽やか好青年の様に振る舞い、ポンポンと彼女の小さな頭を撫でた。
彼女が嬉しそうなのが手に取る様に分かった。
きっと、ガキの頃からモテた奴等は、知っていたんだ、、こうゆう方法を。
隠れたAuthorityの使い方を。。
そして、俺は親友の明と適当にのんびりし、夕方5時半の愛の鐘が鳴ると、一杯すくった沢山のオタマジャクシを河原に戻し、また遊ぼうねー!
と言い、家路を急いだ。
すると、一件の電話が届いた。
「あの、、優君、、麻衣だよ。今日はプリンありがとう、、後、無理しないでねって言葉が、凄く嬉しかった。ありがとうね、じゃあ、私、お風呂入るからまたね!」
と照れた様子の麻衣ちゃんの声を受話器越しに噛みしめる様にガッツポーズをしながら聞いた。
そして、その晩、、
俺は寝室の部屋を消し、眠る前、あの時と同じ様に、宙にスクリーンの様な物が映し出された。
「マダ、コノ、ゲームをツヅケマスカ? Yes or No?」
俺は迷いなく、Yesと選んだ。
誰が、こんな輝く道、黄金の刻を止めるもんか!
すると、
「ワカリマシタ、ソレでは、ヒキツヅキ、タイムマシーンをタノシンデクダサイ。決して金の鍵をナクサない様に。」
とスクリーンに字幕が流れ、パッと消えた。
その晩、俺はどんな夢を見ていただろうか、きっと幸せだっただろう。。
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作品コメント
4件
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R太郎
2023年10月30日
y.kato さん、いつも、読んで下さり、しかも、コメントまで、、、本当に嬉しいです! 本当にありがとうございます(*^^*) フフフ、何を隠そう、、私もとある駄菓子屋にて、、、フフフ! 次も速攻で載せるので是非是非、ご覧下されば、とっても嬉しいです(^^) R太郎(*^^*)
y.kato-channel
2023年10月30日
本当によく書けてる話ですよね! 好奇心を刺激する、 面白い作品だと思います! というか、 また読みに来ました! あなたもトラベラー? 岩瀬美里も?
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