ヤンデレを通り越した執着愛!まさかの成長しないヒロインがとんでも枠。

こちらの作品、ラストまで追いかけて真実の謎がまた深まるとんでもない重厚なダークファンタジーです。
主人公枠のレナちゃんは過去がもう伏線だらけの15歳。
そして異能力クラスでとんでもない力を持つレオン様は17歳の殺し屋。
このレオン様がとんでもない。「レナに触れるものはすべて排除する」なんて、どこぞのヤンデレイケメンが呟くような行動をさらりと行っていきます。
途中出てくる魅力的キャラエリックくんはレオン様に殺されそうになりつつも元Sクラスの腕を見込まれて「俺がいない間の盾くらいにはなるだろう」という駒扱い。
レオン様にとってレナ以外の対象はすべて空気よりも軽い。
後半にかけてレオン様が闇落ちしていきますが、ここまでは推定通り。いいぞ、ヤンデレは落ちるところまで落ちてからが本領発揮だ。なんて、ラブコメでもないのにヤンデレレオン様の執着愛にニヤニヤがとまりません。
そしてヒロインのレナちゃんはそんなレオン様の執着愛に気づいていない。後半になって彼の闇落ちシーンから「そうやってなかったことにしてきたのか・・・!」と気づくわけですが、ここで彼の手を手放した時自分は殺されてしまう。
生きて、と母に言われた言葉通り、レナは例え彼が悪魔であろうともその手を取って隣を歩く。

こちらは第一章にあたる部分の完結なので、後半が一気に伏線回収といきなり突拍子もないバトルシーンが展開され、一気に世界が動き出した感があって続きが気になる作品です。
伏線をにおわせたままのラストも圧巻でした。欲を言うと、もっとこの作者様の書くバトルシーンが読みたかった(多分不必要な部分はさっぱりカットされているので、レオン様のお仕事=暗殺が非常にあっさり書かれておりました)

ダークファンタジーですが、レオン様の恋愛要素はかわいいヤンデレです。
エリックの心の声も作品に華を添えて暗い部分に光を灯してくれております。
好みは分かれるかと思いますが、おすすめです。