第7話


   筒井康隆さんは、無数にマニアックな一風変わった小説を書いておられて、サービス精神と諷刺の精神のゆえでしょうが、?、例えば「大いなる助走」というのがあり、これは、小説家志望の同人誌作家の人々…アマチュア以上、流行作家未満、というような一連の…


 これは、東野圭吾さんがさらにパロディで、「もう一つの助走」というのを書いていた。 「歪笑小説」という文庫本に所収されている。


 「大いなる助走」は、発想はありがちだが、なかなか実際にここまで書くのは難しい? というようなおもしろさがあった。 

 

 で、筒井さんの尋常でない?筆力が端的に表れているのは、それぞれの素人作家の「実作」の文章というのを書いているところ。

  それはできたらおもろいけど、なんとなく「やりすぎ」みたいになるかんじもある。…


 徳永美保子、という、女子大生?で、観念的な小説ばかりを書いている文学かぶれ?みたいなヒトの、実際の「観念小説」と、自殺する前の「率直な心境を吐露している小説」の、両方を書いている。


 こういうこともイマジネーションはできるけど、実際には書きにくい? が、それを書かないとツツイらしさが出ないし、面白くならない…


 筆力とエンタープライズゆえにすこぶる現実的、だが、現実のそういうリアリティを、さらに嗤っている… 一昔前はこういう創作のノウハウというか、面白みも実験的に可能だったのです。 中上健次さんの初期の作品。 沼昭三の「ヤプー」も奇書だし、あるいは「悪徳の栄え」とか、「ジュスティーヌ」とか…ジャンジュネの「泥棒日記」も、およそ世間的な常識をひっくり返している。

 サーカスティックになれば、こういうのも可能…たとえば栗本慎一郎氏の「反文学論」は、そういう言論の暴力。


 ツツイも、言論の暴力にとことん徹すれば途轍もないものを書くかも。 

 が、そういうご時世ではないし、それほど馬鹿を演じる必然性のある人物も今はいない。 オレ以外はなw

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