閑話 前の生活

これはお兄ちゃんがTSする一日前の話しである。


『今日の夜頃に流星群が降る予想です。』


「お兄ちゃん今日は流星群が降るらしいよ」


「ふぅん、そうなんやな」


お兄ちゃんは部活も辞めて、受験も終わったからずっとダラダラしてスマホを弄っている。


「今日のこれからの予定は?」


「友達とカラオケに行く。」

「気を付けてね。」


「よいしょっと、ありがとな。」


「んじゃ、行って来るわ」


そう言ってお兄ちゃんは出かけてしまった。


「はぁ、お兄ちゃんが女だったらもっとやり易いのかな…」


「いつもはいいお兄ちゃんなのに…」


「いいや、私も何処か出掛けてこよっと」


──────


「いやぁ、暑いねぇ…」


「そうだねぇ」


私と友達はそう呟いた。


「佐々木さん家に入れてくれてありがとうね」


「いいよいいよ、いつもお世話になってるからさ」

佐々木さんは笑いながらそう呟いた。


「暑いと兄弟の世話とか大変でしょ」


「そうなんだけどさ、一応給料が入るからね!」


「でも、大変な事には変わりないけど」


佐々木さんは3人兄弟のため、兄弟の世話でなかなか遊びに行けないため、こうして佐々木さん家に来て駄べることが多くある。


「まぁちょっと遊んだら解散にしなきゃいけないけどね」


「仕方ないよ。家の用事があるならさ。」


「じゃあゲーム初めます?」


───────ゲームをやってる最中佐々木さんが呟いた。

「宮はお兄ちゃんと仲良くやってるの?」


「いやぁ、なかなか本音を言わないからね。」


「本当に大変だよ」


「まぁ私も妹達と上手くやれてないからね〜」


「でも適度に距離を取るのが大切だと思うよ」


まぁそうなんだけどお兄ちゃんは、基本いつもの事以外はやる気ないし、それでも頼み事やらはしっかりやるんだけど…


「宮、前から来てる!」


「あっ」


考えてたら、前から来た敵に気付かずにやられてしまった。


「ちょっとぉ、油断しないでよ」


「ごめんごめん」


そんな事を言いながら佐々木さんは、近くの敵を一掃しに、向かって行った。


「じゃ復活させるね。」


「ありがとう、池田さん」


池田さんは基本あまり喋らないから何考えてるか分からないけど、基本味方の支援をしたりする役を担っている。


「んじゃ私も生き返ったから周りの敵倒しに行きますか!」


そんな楽しい時間もすぐ終わり、もう帰宅の時間がやって来た。


「じゃあね。佐々木さん」


「また遊びに来てね〜」


「それじゃあ失礼します。」


「池田さんもじゃあね」


「ありがとうございました。」


そう池田さんと別れた後、私は悩んでいた。


なんで池田さんってあんなに喋らないのかな?


学校じゃ結構喋るのに。


「あっ 流星群だ。」


「お兄ちゃんが女の子になりますように!」


「さて願い事も言ったし、早く家に帰って配信しなきゃな」


「ただいまぁ〜」


「おかえり〜」


「飯は出来てるから部屋に持って行って食べてな。」


お兄ちゃんが食器を洗いながら、そう呟いた。


「え〜待ってくれてれば良かったのに」


「お前が飯の時間に間に合わなかったのが悪い」


「仕方ないな〜一人で食べますよ」


そう言って私は家の階段を登った。


「機材よし、飲み物良し、体調万全、よし配信を初めよう!」






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