第6話 光の遺産

火口の静寂が山麓を包む。

紫黒の光は消え、空には再び黄金の太陽が輝いた。

三大妖怪は跡形もなく消え、天照大神の影も消滅した。


蓮はフェニックスドラゴンと炎龍の前に立ち、深呼吸する。

二つの聖獣は光と炎を交錯させながら、大地を温め、夜空を照らす。


「我らの力は、地球のためにある」

フェニックスドラゴンの声が蓮に直接届いた。

「天御祖神の教えを人々に伝えよ。敬の心、信じる心、学ぶ心。男女の調和、秩序、調和のあり方——それらすべてを生かせ」


蓮は頷いた。

「人々に希望を、未来に光を……」

火口の熱が静まると同時に、地上では民衆が小さな灯を掲げ始めた。

天御祖神が残した儀式や祭りの意味を、自然と体で理解していたのだ。


フェニックスドラゴンは炎龍と共に、天御祖神の意思を伝えるために空を飛び回った。

光の羽が触れた地には、作物が豊かに実り、病が癒え、人々は互いに敬い合い、学び合う。

小さな村も、都市も、徐々に調和の秩序を取り戻していった。


その時、蓮はふと気づいた。

宇宙は単なる広大な空間ではない。

地球の文明が進化し、愛と調和を育むこと——

それが銀河全体、いや宇宙全体の秩序を守る力になるのだ、と。


「天御祖神の遺産は、ここに生き続ける……」

蓮は心の中で祈り、再びフェニックスドラゴンの背に乗った。

炎龍も翼を広げ、三つの魂が一つに調和する。


黄金の光が夜空を駆け抜け、地球の文明は新たな時代を迎えた。

天御祖神の教えは、単なる神話ではなく、人々の生活の中で生き続ける。

そしてその光は、銀河の果てまで届く希望となり、宇宙の秩序に静かに調和をもたらす——。

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