第7話 エピローグ 光は永遠に
時は流れ、地球は新たな時代を迎えていた。
都市の高層ビル群や電脳網の光も、古代から受け継がれた調和の理念とともに存在している。
人々は、天御祖神の教えを忘れることなく、日常の中で「敬う心」「信じる心」「学ぶ心」を実践していた。
蓮は今、都市の空に浮かぶ研究施設の屋上で、未来を見つめていた。
かつて炎龍とフェニックスの背に乗り、火口から生き延びた少年は、今や宇宙物理学者として、人類の文明と宇宙の調和を研究する立場になっている。
「地球の文明は、まだまだ進化できる……でも、希望は確かにある」
蓮の言葉に、背後から黄金と赤の光が微かに揺れた。
フェニックスドラゴンの一部、羽の輝きが夜空に反射している。
完全に人目には見えなくても、聖獣は今も地球の上空を見守っていた。
そのとき、施設の隅で小さな光が瞬いた。
蓮が振り返ると、幼い少女が立っていた。
手には、古代の鳥居の欠片と小さな羽の模様の石板。
目は蓮と同じ色の光を帯び、微かに笑んでいる。
「……この子は?」
蓮が呟くと、フェニックスドラゴンの羽がそっと震えた。
それは、次世代の“地球の守護者”の兆し。
天御祖神の遺産を継ぎ、再び宇宙と地球の調和を担う新たな存在。
蓮は少女に近づき、そっと手を差し伸べた。
「君の力を、これから使うんだ」
少女は小さく頷き、石板から光を放った。
黄金の羽の光は、夜空に舞い上がる。
銀河の彼方にまで届く光は、炎龍ドラゴンとフェニックスドラゴンの魂と共鳴し、宇宙の調和を再び揺り動かす兆しとなった。
蓮は未来を信じ、静かに空を見上げた。
星々の光は、今日も変わらず美しく、宇宙の秩序を優しく照らしている。
そして、物語はまだ終わらない——新たな冒険が、これから始まろうとしていた。
ヒストリーフェニックス @Noriyuki777
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