第18話 コトリバコ
因子活性時の外見的な
ゆえに身体能力そのものは精々
そして、
そもそも
ジルが強力無比な発電能力を持つように、当然
俺たちは『
左右の
「
好都合にも
「はぐっ、んぐっ、んんっ」
ろくすっぽ噛まず飲み込み、即座に養分へと変換。
腹部の再生痛と共にガリガリ削られる
「よォし治った。ごちそうさん」
肉をこそいだ肋骨や歯形のついた内臓が
やはり食うなら胸と腹だな。味こそ最悪だが、柔らかくて程よい弾力に
マジで味は最悪だが。
「今のは流石にヒヤッとした」
閉じた左目から
合わせて、表面が大きくヒビ割れた木箱へと視線を戻した。
「まさか『コトリバコ』に
旧時代の都市伝説で語られた呪物を
同等級の
空間
効果範囲も広く、標的の意識外から懐に潜り込んで一撃を叩き込むのが必勝パターン。
もっとも、今回は上手く頭を抑えてやったが。
「……ぐにゃぐにゃ歪んでいたせいで微妙に視線がズレた。殺しきれていない」
俺の
自分の着物を汚したくないからって人の服を使うな。
「次で仕留める」
「いや、箱の方は十分だ」
手のひらで右目を覆い、
「右は
「さっき倒すのは無理だと言っていなかったか?」
「普通の手段だと無理ゲーだって言ったんだ。お前の片目と引き換えじゃリターンが釣り合わねェ」
音とかだけでもなんとなく戦える俺と違い、視覚こそが売りの
カードを切る状況次第では逆に自分の首を絞めかねない、効果においても使い勝手の悪さという意味でも、まさしく奥の手と
「コトリバコには俺がトドメを刺す。バラッバラの粉々にしてやる」
「……
「あァ? 別に?」
手をどかすと、二割ほど白い部分を残した右目で見つめられる。
なんだよ。
「いいだろう、従ってやる。この塵も
そう言って右目を完全に黒く
俺は肩をすくめつつも、半ば壊れかけた木箱へと歩み寄り、五爪の一撃を叩き込んだ。
深々と刻まれる爪痕。ぼろぼろと落ちる木片。
一発で砕くつもりだったんだが、流石に硬い。
「ズレたにせよ
…………。
コトリバコとは
したがって子を産める適齢期の女に対しては、
もし割り込みが間に合わず
「七面倒なのは嫌いなタチでよ。このまま力尽くでブッ壊させてもらうぞ」
最大限に硬化させた両前腕で、ブルドーザーをビルの屋上まで殴り飛ばせる腕力で、たいがいの物質は濡れた和紙のように裂ける
引っ掻くたびに新たな木片が
十八回それを繰り返し、硬い音を立てて両手を払う。
宣言通り
「バカが。次からは襲う相手を考えやがれ」
子供の死体を刻んで詰め込んだ呪いのカラクリ箱に考える脳があるのかは知らんがな。
誰だよ、こんな作り話を世に広めた奴。ちょっと悪趣味が過ぎるだろ。
でかいショッピングモールも丸ごと収まりそうなクレーターを覆っていた赤い塵が搔き消え、その中で
相変わらず近隣には他のクリーチャーが見当たらない。今にして思えば体内に踏み入ったものを見境なく襲う
蘇りの伝承を
ともあれ戦闘終了。目的の物も無事回収。
終わってみれば一件落着だが、ボヤボヤしてたらまた妙なのに絡まれないとも限らない。早いとこ帰って一服しよう。
「おい」
因子活性を解いて元に戻った指を鳴らし、ドス黒い血でべっとり濡れた口元を拭いていたら、右目からも
間合いが掴めていないためか、やたら距離が近い。
「目が見えん。荷物のところまで抱いて運べ」
「ああ」
酔っ払った胸周りと比べて四十センチは細いウエストに腕を回して持ち上げ、俵担ぎにする。
不満たらたらな唸り声が背中越しに聞こえるが、アサルトライフルとブレードで片手塞がってるし、他の抱き方なんか無理だぞ。
「やはり私の扱いが雑だな貴様。もっと大事にしろ。
「知ってる」
ぱたぱた脚を振って抗議してくるも、なんだかんだ抵抗する様子はない。
ずり落とさないよう、適当に
……ふと、
「香水変えたか?」
「今更か! 一昨日からだ!」
背中を叩かれた。
ごめんって。
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