第17話エピローグⅡ、または更なる物語のプロローグ
ユーロ連合魔晶学院。
ここは魔法の才にあふれた子供たちを集め、勉強してもらうために作った国立の学校である。魔法のみならず、超能力や魔術など超常的な力の研究をしている機関であり、学校である。
しかし基本、学費が高い故に集まるのはお金持ちの子供たちが多く、平民も通ってはいるものの、超常的な力は貴族や一定水準のお金持ちに多い傾向があり、今では魔法学校としての機能はあるものの身分の上下関係がはっきりしすぎている学園である。
そこの高等部で一際目立つ格好の人物が一人。
「先生! おはようございます!」
「ああ。おはよう」
不明王にしてここでは教授を務めているフィーリアス・アルディバートである。
彼は『魔法・魔術演習室』と書かれた部屋に入る。
「やあ諸君! 今日も張り切っていこう!」
「先生ー、今日は何すんの?」
「今日は前回のおさらいをした後、自身の得意魔法を使って鬼ごっこ」
「鬼は――」
「もちろん僕」
「「「ええー」」」
「文句言わない! さて授業を始める! とその前に、おさらいの前に転入生を紹介する」
「え? 誰々? 女の子? 男の子?」
「女の子。さらに言えば僕の推薦だ」
「え⁉」
「先生の推薦って――」
「ああ、難しいんじゃない?」
「しかも、フィーリアス先生の推薦なんてよっぽど難しいんじゃない?」
「はいはい、静かに!」
パンパンと手を叩き、生徒たちを黙らせる。
「ハア・・・。入ってきなさい」
入ってきたのは一か月前まで魔法なんて知らなかった少女。
男も女もその容姿に見入てしまっていた。
彼女は笑顔で自己紹介する。
「初めまして。フィーリアス先生の推薦で来ました。三年の柊莉緒です。まだ慣れないことも多いですが、仲良くしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!」
これは不明を司る不明王と王の花嫁となる少女の物語。これから先、いったいどうなるのか。それはフィーリアスにも莉緒にも分からない。まだまだ、交わったばかりなのだから。
しかしこれだけは言える。
未来において不明なものはたくさんある。しかし彼らの運命は決まっているのかもしれない。
将来この物語に題名をつけるとしたら、こう名付けられるだろう。
『不明王の花嫁(アンノウン・ブライト)』と
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