第31話 私の可愛い親友ちゃん
「……ねぇ。なんで私の下着を選ぶことになってるの」
不服気な表情を浮かべるのは、なにを隠そう私の超絶可愛い親友ちゃん。
強引に持たせてやった水色のブラと赤色のブラを交互に見やり、ご立腹な口調でもう一度口を開く。
「ねぇ。なんで私の下着を選ぶことになってるの!」
「んー、気分?」
遡るのは我が家のタンスを整理していたときのこと。
自分の下着を手に取ったときにふと思った事がある。
『あ、澄香にも下着買ってあげよ』
そんな浅はかな考えが脳裏をよぎり、今に至る。
せっかく2人の時間が作れるわけだし、私の奢りで良い感じの下着を買ってあげたいな〜という善意だ。
(まぁ?ちょっと?澄香の?おっぱいを?見たいってのは?あるけどね?ちょっとだけね?)
お得意のポーカーフェイスで邪の考えをぶん投げた私は、1つ頷いて赤色のブラジャーを澄香から奪い取った。
「よしっ!水色付けてみよう!」
「色々説明してほしいんですけど!?」
「考えるよりも行動!ほらっ!付けてみな!」
グイーっとカーテンに押し込む私は、あれよあれよと一緒の更衣室に。
べつに他意はないけど、もしかしたら着替えに戸惑うかもしれないから一緒に入ってるだけ。
「……わかった。着替えるからせめて出ていって?」
「着替えのサポートするよ?服も持つよ?付けてたブラジャーも私持つよ?採寸もするよ?」
「いらないから!さっさと出てって!!」
「もー!」なんて言葉を吐きながら力強く私の背中を押す澄香は、なんともまぁ可愛らしい。
ひとつひとつの動きが可愛いと思ってしまうのは、やっぱりあの顔。
くっきりとした二重。絹のように艶やかな薄茶色の髪の毛。モデルのような体型のくせに、子供らしい言動。
何もかもがギャップ萌えの親友は、きっと高校時代もモテモテだった――と言いたいところだけど、岩永くんとの掛け合いを見てたらとてもそうとは思えない。
一体全体どんな高校生活を送ってたらこんなピュアピュアな子が育つのだろう。
まぁ?今の私が癒やされてるから全然良いんだけど?
ふんすと鼻を鳴らす私は腕を組み、影1つも見せてくれない肌色のカーテンに目を向ける。
「どう?付けれた?」
「さっき出たばっかじゃん!」
「でもやっぱり気になるじゃん?サイズとかどうかな〜って」
「サイズは……丁度かな?最近また大きくなった気もするんだけど、よくジャストサイズ持ってこれたね?」
「澄香のことめっちゃ見てるからね」
「そ、そうなんだ?ありがと」
頬を赤くしてるのだろうか?声を聞くだけでも口角が上がってるのが分かる澄香はやっぱり可愛い。
愛嬌を噛みしめるように、右手にある赤色のブラジャーを自分の胸に押し付けて――
「…………貧乳じゃないし」
これでもCはある!この人の胸がおかしいだけで、私にもちょっとの膨れ上がりはある!
どこかの元カレさんも小さいよりは大きい方が良いとか言ってたけど、べつに小さくてもいいじゃん!今の時代は中身でしょ!顔もそこそこいいんだし、それ以上を求めるんじゃないよ!バカ元カレが!!
東京にいる男にガンを飛ばすが、返ってくるのは女性たちの楽しそうな声だけ。
ふんっと鼻を鳴らす私は、おもむろに開けられるカーテンに星の宿った瞳を向けた。
「なんかこれ……派手じゃない……?」
モジモジと縦に伸びたオヘソの前で指を弄り倒すのは、顔を真っ赤にした澄香。
流石にTバックは着てくれなかったけど、ねずみ色のジャージがいい味を出している。
「良いっ!」
グッと親指を立てる私は、文字通り舐め回すように澄香のおっぱいの周りをグルグルと回り始める。
ピュアな女の子には、清楚の代表色とも言えよう水色がよく似合う。
真っ白の肌に浮かび上がるそれは梅雨明けの朝を彷彿とさせ、深い谷間という幻想的なところもあれど、ずっしりとした重みが私を現実へとより戻してくれる。
試しにツンツンっと上乳を突いてみる。
さすれば、ご褒美の「ヒャッ!」なんていう可愛らしい声が降り注ぐ。
「なに触ってんの!?」
「いやちょっとどれだけ柔らかいのかなぁって」
「そんなの自分の触ったら良いじゃん!?」
「あなたほどデカくありません……!」
「だからって触らないでください!」
シャッ!と勢いのある音を立てたカーテンは、あっという間に梅雨明けの朝を彷彿とさせる水色のブラジャーを隠してしまった。
(くすぐったように頬を染めたあの頬も可愛かったな……)
「変なこと考えないで!」
「大丈夫考えてないから〜」
「信用できない……!」
もしかしたら私はこの一瞬で澄香の信頼度をすべて消し去ったのかもしれない。
でも、何一つとして後悔はしてない。
だってあんな可愛いものを拝めたんだもの。
可愛いは正義よ?可愛いはなににも勝るのよ?可愛いはなによりも輝くのよ?
あんまり私の可愛いもの好きを舐めないでもらいたい!
「……ていうかこれ、もう脱いで良い?」
「あーいや、もう1回だけ見せてくれる?」
「ぜっっっったいにいや!!」
恥じらいを隠すような叫びだけが更衣室に響き渡り、思わずニヤついてしまう私はカーテンを捲りたい欲を堪えながらそっと赤色のブラジャーを返した。
巡り合わせとはいえ、私は心底思う。
(澄香と友だちになってほんとに良かった!)
その御恩を、今日あいつに返そうと思う。
この下着という形で!!
握りこぶしを作った私は、Tバックに手を伸ばし始めた。
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