第4話 もものアールグレイ和え ― 真夜中の密やかな宴

もものアールグレイ和え ― 真夜中の密やかなうたげ



熟れきった桃が(の肌をすべらせ)

紅茶の衣をまとう ―

ベルガモットの柑橘の吐息が

静かな夜にひそやかに広がる


茶葉はたっぷりと

夜の闇に星を散らすようにふりかける

その粒ひとつひとつが

果汁の甘露に溶け

ほほをくすぐる香りとなる


ひとしずくのブランデー

―― まるで月の光をしぼりとったようにーーひとたらし




口にふくめば

ももの妖精とベルガモットの妖精が

あなたを捕え

明日の昼も あさっての夜も

呼び寄せてしまうだろう


香りはふくいくと漂い

心は甘く酔いしれる


だから今夜は

その妖精たちに捕まってしまえばいい

ねむりの小舟に揺られながら

夢の港へと 静かにたどり着くまで


bon voyage… 🌙✨




〜〜


うっとり〜






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