第2話 道端で見つけたもの
歩いていると不思議な植物が目に入った。
地面から茎のようなものが伸びていて、先に小さな松ぼっくりみたいなものがついている。
きのこの仲間かと思ったけどきのことは違う匂いがした。
でもちょっとおいしそうな匂いだ。
「それはつくしだよ。ジョーさん見るの初めてかい?」
タケノコをくれる人がいう。
「俺達が住んでる辺りには生えてないもんなぁ」
「良かったら持って帰る?ここらもうちの土地だし。他のとこにもたくさん生えてるから」
「そういやつくしって食べられるんだっけ?俺食べたことないかも」
「ちゃんと処理すれば犬も食べられるよ」
「へ〜」
おいしそうだとは思ったけどやはり食べられるようだ。
でもタケノコと一緒でそのままでは良くないのかな?
そのまま食べなくて良かった。
つくしは帰りに摘んで帰ることにして僕らはそのままタケノコのもとへ向かった。
タケノコをくれる人について歩いていると、少しずつ周囲の木々が増えていく。
「ここだよ」
竹がたくさん生えている場所にたどり着いた。
タケノコが大きくなるとこの”竹”になってしまうらしい。
タケノコをくれる人が生い茂った竹の合間にできた小さな道に入っていく。
「足元気を付けてな」
足元に枝や石が沢山落ちていたからだろう。
でも、これくらいへっちゃらだ。
「ジョーさん、抱いてやろうか?」
へっちゃらだっては、馬鹿にするな。
枝や石の合間をぬってタケノコをくれる人についていく。
「うわっ」
後ろから来ていた飼い主が声を上げる。
どうもよろけたらしい。
言っとくけど、僕急いで歩いてリードを引っ張ったりしてないよ?
こんなんでよく僕を抱き上げようとしたよね…。
「ジョーさんよりお前のほうが危ないな」
タケノコをくれる人が大笑いしている。
おっしゃる通りだよ、まったく。
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