第二章 〜重ねた夜〜

 高校を出て、自宅の最寄駅の隣駅にあるバイト先に着いた俺はバックヤードに荷物を置き、バイト先の制服に着替えた。

 タイムカードを通してスタッフ用のスペースから店内に入ると、店長が目に入ったので挨拶した。

「店長、おはようございます」

「立花くん、おはよう。今日もよろしく頼むよ」

 笑顔で返してくれたこの人は店長の森下さんだ。

「あー森下さん。いつものアレ、貰えるかね」

「あれ木下さん、昨日も買ってなかった?吸い過ぎは良くないよ」

「昨日息子が家に寄ってね、あげちゃったのよ」

 俺が来たのと同じタイミングで、一直線にレジにやってきた常連客のご婦人、木下さんに、なるほどね……でも吸い過ぎないように、と言いながら森下さんはタバコをレジに通す。

 

 森下さんは三十代の男性で、このコンビニを運営している会社の社員さんだ。

 俺とは一回り以上歳が離れているが、温厚で人当たりがよく、話しやすい。

 初めてのバイトで右も左も分からなかった俺に優しく指導してくださった尊敬できる人だ。

 森下さんは優しすぎる性格からか、時々来る本部のエリアマネージャーに無茶なノルマを押し付けられているのをよく目にする。

 そんな森下さんだが決してアルバイトなどに当たる事はなく、もちろん今みたいにお客さんからの信頼も厚い。

 森下さんとの会話を楽しみに店に来ている人も少なくない。

 そんな人柄のおかげもあってか、キツめに設定されたノルマは大体達成されてしまっているようだ。

 エリアマネージャーがそこまで考えてノルマを設定していたら……大人の世界は怖い……。

 そんな事を考えながらレジに入って業務を開始した。

 

 俺は高校一年の五月からこのコンビニでアルバイトを始めた。

 元々人見知りな性格だった俺は、それを克服したかったのとそれを家族が背中を押してくれたこともあって、あえて接客のバイトを選んだ。

 家族は向いてるんじゃない? なんて言っていた……。

 もちろん覚えることも辛いことも多いが、約一年にわたって続けてこられたのは店長をはじめとしたスタッフの人達が優しくサポートしてくれているからだと思う。

 感謝の念を抱きながら、今日もアルバイトに精を出した。

 

「お先に失礼します。お疲れ様でした」

「お疲れ様! 帰り道、気をつけて帰るんだよ!」

 自分より先にいた森下さんより早く上がることに社会人への恐怖を感じながらも、高校生が働ける時間も限られているので、店長に挨拶を済ませて俺は店を後にした。

 バイト先から駅までの道は、飲食店や娯楽施設などが並んでいる。

 平日夜のこの時間帯でも人通りが多い、いわゆる繁華街だ。

 仕事帰りのサラリーマンや、飲み会終わりの若者の集団と何度もすれ違う。

 高校生が出歩くには遅い時間ではあるが、一定間隔で並んだ街灯や店から漏れる光、辺りを埋め尽くす人々によってまだ早い時間なんじゃないかと錯覚するようだった。

 

 そんな駅までの約十分にも満たない道のりの中で、俺は彼女、坂城さんに出会った。

 道端で立ち尽くす彼女は、駅への進行方向を塞がれるように男性に立ちはだかられていた。

「駅までの道を教えてもらいたいんだけど……」

「駅へはこの道を真っ直ぐ進んで……」

 素直にそう答える彼女を遮るように男が続ける。

「ていうかきみホントにかわいいね、連絡先教えてよ」

「そういうのは……お断りします」

 これまでもこんなことがあったのか、坂城さんは特にうろたえることもなく、少し呆れたように答えた。

「そんなこと言わずに、今度美味しいものでもご馳走するからさぁ、連絡先教えてよ。てかとりあえずカフェでも行こうよ」

 見るからに呆れた顔の坂城さんを気にしていない様子でダル絡みしているのは、二十代後半くらいの男性だった。

 男性は酔っているのか、少し顔が赤くなっている。

 何度断っても解放してくれなさそうな男性に、坂城さんは少し離れた距離から見ていた俺でも分かるくらい、その表情には段々と嫌悪感があらわになっていった。

 それを見た俺はこんなことするキャラではないと思いつつも、覚悟を決めて坂城さんの元に駆けて行った。

 こんな光景を目の当たりにして、何事もなかったかのように帰るなんてできなかったから。

「お、おまたせ! ほら行くよ」

 珍しく声を張った俺は男性に有無を言わさないようにそう告げると共に、坂城さんの手を取ってその場から立ち去った。

 色々とどうしたら自然か、頭をフル回転させたが今はこうするしか思いつかなかった。

「え、ちょっと!! 誰??」

 突然出てきて坂城さんを連れて行ってしまった俺にムカついたのか、男性が大声で何か言い続けているのがわかったが、それが聞こえなくなるくらいまで坂城さんの手を取って走った。

 彼女の方を見ると何が起きたのかわからず、驚いたような表情をしていたが、何も言わずについてきてくれた。


 その後どのくらい走ったか覚えていないが、駅に向かって走っていた俺たちは、もう充分距離を取ったと判断して足を止めた。

 男性は流石に追いかけてまでは来なかった、そうなったらどうやって対応しようかと思っていたので、ひとまず安心だ。

 思考に余裕が生まれて状況を整理し始めた俺は、必要に迫られていたとはいえ、坂城さんと手を繋いでいることに気づいて慌てて手を離した。

「ご、ごめん! 急に手を握ったりして。柄でもないのはわかってて色々どうしようか考えたんだけど……急だったからこうするしか思いつかなくて、その、本当に……」

 早口で必死に弁解する俺を見て、坂城さんは微笑した。

 先ほどまで男性に向けられていた嫌悪感はすでに消えているようで、彼女がこれ以上嫌な思いをしなくて済んだのかと思うと咄嗟に動いてよかったと思った。

「そんなに慌てなくてもいいのに、助けてくれてありがとう立花くん。本当に助かりました」

 慌てる俺を優しい瞳で見つめる彼女は、学校で見るよりも大人びて見えた。

 彼女の言葉に、俺はまず自分の事を覚えてくれていたのかという感動を覚えた。

 優しく言葉を紡ぐ彼女は、俺の頭の中にあった今までのクールな彼女のイメージと違って、全てを包みこんでくれるような温かさに満ちていた。

 その温もりに俺は恥ずかしくなって、彼女の方を見れなかった。

 そんな俺を見つめて彼女は続けた。

「柄でもない立花くんは、どうして私を助けてくれたの?」

 そんなに話した事もないよね? とキョトンとした瞳で付け加えた坂城さんの表情はいつもより幼く見え、またもや初めて見るそんな彼女の表情も、他の人が知らない新たな一面を見せてくれているようで、余計に魅力的に見えた。

 俺はどんどん速く、大きくなっていく鼓動を感じながら、何とか坂城さんの方を見た。

 どうして助けたのか。

 その真っ当な疑問に対して、俺はどう答えるのが最善か思考を繰り返す。

 思っていることを素直に相手に伝えるのは、とても怖いことだ。

 自分が受け入れてもらえなかった時、ショックを受けてしまうから。

 それなら相手にとって当たり障りのない無難な答えを想像して、上手く立ち回った方がいい。

 冷めていると思われてしまうかもしれないが、傷つくことを恐れている自分も、大事にしなくてはいけない自分の一面なのだ。

 でもそんなにあれこれ考えなくても、彼女を見ていると俺の正直な気持ちを受け止めてくれるんじゃないかと思った。

 慣れない事をして、気持ちが昂っているせいもあってか、俺は心の壁を取り払って正直な気持ちを伝える事を決めた。

 「ここでやらなきゃ後悔すると思ったんだ。やらないで後悔するよりやって後悔したい、それが自己満足でもいい。少しでも気になっていた子が困っているなら尚更」

 素直な気持ちを伝えたが、最後の一言は余計だったかもしれない。

 答えた後で、つい勢いに任せてやってしまったと思ったが、その場の勢いで言ってしまったことも、こんなことでもないと伝える勇気なんて出ないから良いと思っている自分もいた。

 自分の投げかけた質問に対して返ってきた答えに、坂城さんは驚いたような表情をしていた。

 どこか悲哀を感じさせる表情もしていた気がしたが、それはほんの一瞬だったので気のせいだったかもしれない。

「そっか、そうなんだ……」

 想いを噛み締めるようにつぶやいたかと思うと、聞き逃してくれるはずもなく坂城さんは核心を突いてきた。

「その……立花くんは、私に好意を持ってくれてるの?」

 一歩近づいて覗き込むような体勢になり、上目遣いでこちらを見つめてそう言った彼女がとても魅力的で、その空色の瞳に引き込まれそうになる。

「そうだね……仲良くなりたいと思ってる。もちろんいきなり付き合って欲しいとかじゃなくて、友達からでも……」

 勢いにそのまま乗り切るしかないと腹を括った俺は正直な気持ちを言葉にした。

 坂城さんの事は、自分とは関係ない世界とは思いつつも気にはなっていた。

 彼女の容姿は当然として、むしろその魅力に引き込まれない人間はいないと思う。

 見た目だけで人を判断するのはよくないとは思っているが、どうしても抗いようのないものは存在する。

 でも決して理由はそれだけではない。

 少し会話した時の雰囲気や、坂城さんの友達に向ける表情など、少し接しただけでも彼女からは優しさが感じられ、俺は好意的な感情を持っていた。

 そんな事を前から思っていたから、正直に話そうと思えたのかもしれない。

 自分の素直な気持ちを白状した俺に、坂城さんは微笑んだ。

「ふふっ……私も今話してて、もっと立花くんと仲良くなりたいと思った」

 ああ、思った通り彼女は他人の気持ちに寄り添ってくれる人だ。

 そう思っていると、続けて彼女はこう言った。

「でも……」

「私は友達からじゃなくて、付き合ってもいいよ?」

 流石に恥ずかしさがあるのか、伏目がちにそう言う彼女を見て、俺の頭は驚きと思わぬ歓喜の感情でぐちゃぐちゃになって処理能力の限界を迎えた。


 このまま立ち話もなんだからという坂城さんの提案で、俺たちは近くのカフェに移動した。時間も大分遅いせいか、店内に客はまばらですぐに席を確保できた。

 カウンターで注文した飲み物を受け取った俺たちは、二人掛けのテーブル席に向かい合って座った。

 怒涛の展開に休まる暇もなかった俺の頭は、温かい飲み物を口にすると、段々と落ち着きを取り戻してきた。

 同じように飲み物を一口飲んだ坂城さんがこちらの方を向いて口を開いた。

「改めてありがとう。立花くんが来てくれて、本当に助かりました」

「大した事は……坂城さんに何もなくてよかったよ」

 律儀にお礼を言ってくれる彼女に、ようやく少しだけ余裕が出てきた俺は続けて質問をした。

「坂城さんは遅くに何してたの? あの辺りって遅い時間はちょっと怖いと思うんだけど……」

 坂城さんが男性に絡まれていたあの辺りは色々な店が立ち並んでおり、明るい雰囲気ではあるものの時間が遅くなるにつれて、完全に出来上がった人が増えたり、少々ガラの悪い人達がたむろする場所でもある。

 駅前にある交番の警察官が時々巡回していることもあり、ある程度の治安は保たれているが、女子高生が一人で長い時間いるのはリスクがあるかもしれない。

 特に坂城さんみたいな人なら尚更……。

 俺の質問に対して、彼女は少しバツが悪そうな顔をして、どう答えるべきか悩んでいるように見えた。

「今日は友達と駅の近くで遊んでて……解散した後にノートを切らしてた事を思い出して、買いに繁華街の方にあるお店に行ったらああなりました……」

 親に叱られて言い訳をするように答えた彼女を見て、途端に親近感が湧いてきた俺は可笑しくなってクスッと笑ってしまった。

「あー、もう笑わないでよ。不注意だったって反省してます!」

 頬を少し膨らませて言う彼女が子どものようでかわいらしかった。

 それに彼女が反省することではない。悪いのはしつこく食い下がる男の方だ。

「友達とはよくこの辺りで遊ぶの?」

 笑われて少しいじけた様子の彼女に、続けて尋ねる。

「そんなに頻繁にではないけど、遊ぶ時は大体この辺りが多いかな」

「立花くんの方こそ、今日は何してたの?」

 彼女に当然の疑問を投げかけられる。

 俺の方こそ遅い時間に一人で何をしてたんだ、という話だ。

「今日は学校が終わってからバイトだったんだ。この近くのコンビニで働いてて……」

 俺は彼女に訊かれた訳でもないのに、自分から話を続けていた。

「俺には合ってないのはわかってるんだけど、人見知りな自分を変えたくて始めたんだ……」

 彼女ならそのままの自分を受け入れてくれるかもしれない、面と向かってちゃんと話をしたのは今日が初めてだというのにそんな事を考えていると勝手に口が開いていた。

 自分から言ったくせに彼女がどんな反応をするか、少し怖くて伏目がちな俺に彼女が言葉を紡ぐ。

「立花くんは人の気持ちに気づいてくれそうだし、合ってると思う。しかもそんな理由でバイト始めるなんて偉いね!」

 そこまで優しい言葉をかけてくれるとは思っていなかった。

 俺が反応できずにいると彼女は続ける。

「立花くんがバイトしてるところ、見てみたいなぁ」

 そして彼女はあっ……と大事な事を忘れていた、といった様子でこちらを見つめてその言葉を口にした。

「それで……付き合ってくれるの?」

 嬉しいはずのその言葉、はい、と返事するだけでいい。

 坂城さんなら自分を受け入れてくれるだろう、今日これまで話しただけでもそれはわかっている。でも……。

「どうして……俺と付き合ってみようって思ったの?」

 そう聞かずにいられなかったのは、心の奥底にある自分への自信のなさにどうしようもなく押しつぶされそうになったからだ。

「私は……」

「立花くんの考え方が好き、それを近くで見ていたいと思った……」

「今は……それだけじゃダメかな……?」


 その後どんな会話をしたかはあまり覚えていない。

 覚えているのは最終的に、坂城さんの言葉に対して、俺でよければよろしくお願いします……とだけ何とか絞り出したことだけだ。

 多少なりとも気になっていたクラスメイトが困っていたから、見て見ぬふりをして後悔はしたくないと思って助けに入った。それは紛れもない本心だ。

 でもその中にはこれがきっかけで彼女と仲良くなれるかもしれない、俺に好意的な感情を持ってくれるかもしれないという邪な気持ちがなかったかというとそれは嘘になる。

 なのでこの展開は願ってもないのだが……。

 まさか今日坂城さんと付き合うことになるなんて想像できるはずもなかった。

 しかも坂城さんの方から言ってくれるなんて、彼女はこういうことに慣れているのか、でもそんな噂聞いたことないし……なんて色々と考えすぎて頭がこんがらがった。


 俺のバイト先の最寄り駅は、坂城さんの最寄り駅でもあるらしい。

 本来こっちに来る必要はないのだが、駅まで送らせて、と彼女に言われて、フワフワとした気持ちで駅まで歩いた。

「それじゃあ、今日はここでお別れだね」

 彼女は微笑して言った。

 そして一瞬目を伏せたかと思うと、透き通るような瞳でこちらを見据えてこう言った。

「これからよろしくお願いします、立花くん。今日は本当にありがとう。また後で連絡するね」

 そう言った後に差し出された彼女の右手にはスマホが握られており、そこには先ほどカフェで友達追加を済ませたトークアプリの画面が映し出されていた。

「こちら、こそ……よろしくお願い、します……」

 俺は彼女の瞳を直視できず、言葉を詰まらせながらそう返すのが精一杯だった。


 坂城さんと別れた後、家に帰った俺は呆然としながら自室のベッドに倒れ込んだ。

「まさかこんな事になるなんて……」

 そう呟いた直後、ポケットに入れていたスマホが振動した。

 画面をタップすると、そこには坂城さんからのメッセージが届いていた。

「改めて、今日はありがとう。立花くんが助けにきてくれてよかった」

「これからもよろしくお願いします」

 そう綴られたメッセージの後に、猫がお辞儀しているイラストのスタンプが送られてきていた。

 やはり頭にこびりついた、今までのクールな彼女のイメージとは少し違ったかわいらしい雰囲気に、どうしようもなく魅了されてしまった俺には気の利いた返事など出来るはずがなかった。

「こちらこそよろしくお願いします」

 何とかそう返した俺は、自分が現実ではない所に存在しているようなふわふわとした気持ちで、汗を流す為に二階の自室から下へ降りた。

 風呂場へ向かう途中、リビングから出てきた母に、

「ニヤニヤして、何かいい事でもあった?」

 と図星を突かれた俺は、

「な、何もないよ」

 と返すしかなかった。


 立花くんと駅で別れた私は家に着くなり、自室のベッドに倒れ込んだ。

 友達と遊んでいた帰りに、ノートが切れていたのを思い出して買いに行った所を男性に絡まれてしまったこと、それを立花くんが助けてくれたこと。

 今日あった出来事を取りこぼす事なく、大事に心にしまうように改めて思い返していた。

 今日のように見知らぬ男性に急に声をかけられることは初めてのことではない。

 でも今日ほどしつこい人は久しぶりだったなぁ……と考えるとかえって面白くなってきた。

 立花くんが助けに入ってくれたおかげで何もなかったから、そう思えていることに本日何度目かわからない感謝を心の中でした。

 実を言うと立花くんのことはあまり知らなかった。

 あくまでクラスメイトの一人で、もちろん認識はしていたけど必要最低限の会話しかしたことがなかったと思う。

 それでも今日彼は、そんな関係値しかない私を助けにきてくれた。

 自分でも言っていたけれど、彼はああいうことをするのが得意な人ではないと思う。

 彼の内面をあまり知らない私にもそんな印象はあった。


 『ここでやらなきゃ後悔すると思ったんだ。やらないで後悔するよりやって後悔したい、それが自己満足でもいい。少しでも気になっていた子が困っているなら尚更』


 彼の言ってくれた言葉が頭の中で何度も思い返される。

 彼の本心から発せられた、正直な言葉から感じられる信念と、人を思いやる優しさが自分を包み込んでくれるようで、また心の中の宝物と重なって、とても安心した。

 私の中に空いた穴を彼が埋めてくれるような気がして、でもそれは友達という関係では満たされないような気がして、それを逃したくない一心で思い切ったことを言ってしまった。

 私は彼に言わなかったけれど、私の方も柄でもないことをしちゃったと思っています。

 でも今日の自分の決断に後悔はない。彼のことをもっと深く知りたい。

 近くでそれを感じていたい、そう思ったのは本心だから。

 そんな事を考えているうちに、家に帰ってから二十分ほど経ってしまっていた。彼の家は私の最寄り駅の隣駅にあり、電車は五分程度、駅からは十五分かからないくらい、と言っていた。

 そろそろ彼も家に着いた頃かな、と思った私はトークアプリを開き、今日のお礼を二人のこれからの未来を想像しながら送信した。

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