第9話
5階層の中心に異様に強い気配を感じこの階層の最後の敵だと思ったので急いでその場所に向かった
「しっかし、なんでいきなり強い個体が現れたんだ?」
〔ココマデノ階層ノ敵ヲ全テ倒シタコトニオケルダンジョン側カラノ制裁モンスターダト思ワレマス〕
「は?制裁?まじかよ!強い奴が出てくるのか?レベルアップのチャンスじゃ‼」
俺は強い敵と聞いてたくさん経験値がもらえると思ったのでより急いで敵のもとに向かっていく
中心部に近づくと広場の中心で異様なオーラを出しながら立っている2m越えのゴブリンがいた
ゴブリンは黄金で手足は獣かを思わせるような凶暴な爪のようになっている全身鎧を身に着けていた
「あれはどんなゴブリンなんだ?」
〔【ゴブリンヒーロー】デス。サラニ個体名モアルヨウデス。個体名ジーランブルード。強敵デス。純粋ナステータスデハマスターヨリモ上デス。強化込ミデモ互角デショウネ〕
「うわ...まじかよ、超やばい奴じゃんか」
〔更ニゴ報告デス。ジーランブルードガコチラニ気ヅキ、攻撃ヲ開始シヨウトシテイマス〕
その報告と同時に俺の目の前にジーランブルードが現れて片手に持った大剣を振り下ろしてきた
俺は咄嗟に避けて何とか助かったが一瞬だけナビゲーションに意識を向けたとたん視認できない速さで近づいてくるとは考えもしていなかった
「おいおい、なにが互角だ?俺より速いじゃんか。スキルか?一瞬だけ速くなったような感じがするな」
ジーランブルードは俺が避けて距離を取ったのに詰めてくる様子がなくこちらの出方をうかがってきた
「さっきの速さは連発出来ないか...なら、距離をとるのは駄目だな。近づいてさっきの技を使えないようにしなきゃな」
先ほどの速さが何らかのスキルであることを想定したら距離を取ったら一瞬で詰められて攻撃をくらう恐れがあるが近くなら速さは関係ないと考えた
だから俺は先ほど取った距離を次は自分から埋めにかかった
「技を連結させて【遠隔剣】【強剣】【首切り】【ダブルスラッシュ】!」
【強剣】:自身のSTRの合計値の130%攻撃をする
【首切り】:相手の首に与えるダメージを2.5倍にする
【ダブルスラッシュ】:上級剣術レベル1で使えるようになったアーツ。1回の攻撃を2回同時に行う技
4つのアーツを組み合わせジーランブルードの後ろに攻撃を発生させて後ろから攻撃をし、前からは俺が剣についていたスキルを使い攻撃を仕掛ける
「【勇剣】!!」
【勇剣】:剣に聖属性・雷属性・火属性を付与し、自身のSTRの150%のを繰り出す技。完全に無効化するには聖・雷・火・魔属性の4つの属性と物理攻撃を無効化しなければならない
この攻撃で仕留めきれなくとも大ダメージになると思っていたのだが予想外の出来事が起こってしまった
「なっ⁉グゥッ!」
ジーランブルードは首への攻撃をしゃがんでかわし、避けきれないようにするための胴へ攻撃は大剣で受けて威力を殺し、大したダメージにはならなかった
さらに、大剣が壊れたことにより、フリーになった腕で攻撃直後で硬直していた俺を殴り飛ばしたのだ
「ちくしょう...がぁッ!」
さらに吹き飛んで起き上がった直後の俺に例の高速移動と回し蹴りをプレゼントしてくれて、防御が間に合わなかった俺の胴体にもろに直撃してしまった
「...⁉......‼」
少しの間まともに息ができなかったがジーランブルードは追撃をしてこなかった
「おえ...(何で追撃してこないんだ?絶好のチャンスだろうが?...もしかして?)」
HPが残り1割近くまで減っていたが自動回復のおかげで少しずつ回復していきHPが戻ったおかげで俺も何とか体が動かせるようになった
「【下級ヒール】【下級ヒール】【下級ヒール】【アップステータス・STR】【アップステータス・VIT】【アップステータス・AGI】...よし!」
【下級ヒール】:HPを25%回復させる。外傷も同時に少し回復する
【アップステータス・○○】:3分間指定のステータスを15%上昇させる
「ないよりはましだろうな...さてとどう倒したもんかね...」
大剣をなくして攻撃力は下がったかもしれないが身軽になった相手
ダメージを負った分をバフで何とかしたぎりぎりの俺
「変なことをしても避けられて終わり、じゃあもう自分の力しか使えないってことか...わざと距離を取る?動き出すまでに最低5秒はあるな」
俺は蹴り飛ばされてからジーランブルードがこちらを向くまでの時間が5秒ほどあったとを思い出して5秒もあれば俺もバフをかけて相手の行動を気にするくらいはできる。なので隙だらけのところに追撃がなかったのにも納得ができ、そこがあいつの隙なのだと理解した
俺はこれからの行動を頭で思い浮かべ、その通りに行動を始める
まず、先ほどと同じように背後からの攻撃を仕掛ける
「【遠隔剣】【強剣】【首切り】【ダブルスラッシュ】!」
そして俺は何もアーツを使用せずに前から攻撃をする
「オラァ!!!」
当然のごとくジーランブルードが攻撃を避けて反撃してくるのでここはあえて攻撃を受けて吹き飛ばされることにする
先ほどと同じように吹き飛ばされジーランブルードがこちらに追撃を仕掛けてくるところで俺はアイテムボックスに眠っていたあるもので攻撃を防いだ
「盾術アーツ【鉄壁】!」
俺はゴブリンたちが落とした盾をたくさん持っていたのでジーランブルードの攻撃に合わせて10枚ほど並べてアイテムボックスからだして、何とかジーランブルードの最後の1枚で受け止めて、動かなくなったジーランブルードに攻撃を仕掛ける
「【強剣】【首切り】【ダブルスラッシュ】...これで止めだぜ!連結!【勇剣】!!!」
何も防御のできないジーランブルードはなすすべなく首を焼き切られ光になっていった
そしてジーランブルードのいた場所には金色の宝箱が残されていた
「...終わってみればあっという間だったが死んだかと思ったぜ...うわ、スキルで減らしてるはずなのにMPがすっからかんじゃねぇかよ勇剣ってどんだけMP使うんだよ」
〔イエ、【勇剣】ノミデハ150程度シカ使ッテイマセンガ連結デ多ク消費サレタト考エラレマス〕
「まじかよ、何も考えてなったぜ」
〔マスター、宝箱ヲ開ケテミテハイカガデスカ?〕
「ん?なんかあるのか?...まあいいか、開けるか!」
俺はナビゲーションがせかしてきて質問に無視しやがったので指示通りに開けることにした
宝箱は本体から装飾に至るまですべて金で出来ていて、罠の類もなさそうなので普通に開けてみた
すると中に入っていたのはスキル玉とは少し違うビー玉とジーランブルードが装備していた全身鎧がさらに豪華になったようなのが入っていた。しかもジーランブルードにはなかった頭装備までちゃんとついてきていた。
「おお!あの鎧だ!かっこよかったもんなぁ!めちゃくちゃ当たりじゃなぇか!しかもスキル玉かこれ?なんのスキルなんだ?」
〔イイエ、ソレハスキル玉デハアリマセン。スキル進化ノオーブデス。〕
「スキル進化のオーブ?」
〔ハイ、ソレハ使用スレバドレカ一ツダケ無条件デスキルヲ進化サセルコトノデキルオーブトナッテオリマス〕
「へ~...じゃあ、ナビゲーションに使うか!」
〔エ?〕
「だって、そうすりゃあ、もっといい案内をしてくれるようになるんだろ?」
〔......ハイ、オ約束シマス〕
「よーし!じゃあナビゲーションに使う!」
俺はオーブを掲げそう宣言したらオーブが砕け、俺の中に光が流れ込んできた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます