第2話

ある日、さくらはまた友達と大川へ遊びに行った。ところが、この日にかぎって、きゅうりを持ってくるのを忘れてしまった。すると、ごんごの助が川から顔を出し、「きゅうりをくれ。くれなきゃ、もっと悪さをするぞ」

と脅してきた。しかたなく、さくらは友達と一緒に、自分の家の畑へ取りに行くことにした。ごんごの助も、うれしそうに踊りながら、ついて来た。

しかし、照りつける夏の太陽の下を、てくてく歩くうちに、ごんごの助の頭のお皿がからからに乾き、不思議な力も抜けて、ふらふらになってしまった。

それを見た子どもたちは、それぞれ手桶に水をくみ、ごんごの助の頭にかけてやった。すると、ごんごの助は元気を取りもどし、畑までついて来て、きゅうりをもらった。きゅうりを食べたごんごの助は、すっかりごきげんになり、踊りながら大川へ帰って行った。

それからというもの、ごんごの助は、もう悪さをしなくなったという。

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