第3話
ある日、子どもたちが石や貝殻を集めて遊んでいると、上流からごうごうと音を立て、大水が押し寄せてきた。
奥津渓あたりで大雨が降り、川の水が一気に増したのじゃ。
子どもたちは、あわてて土手へはい上がったが、ひとりの女の子が足をすべらせ、水にのまれてしまった。
「ごんごの助、助けて!」
さくらが叫ぶと、ごんごの助は呼ばれずとも、すでに濁流へ飛びこんでおった。渦をまく川の中で、必死に女の子を抱え上げ、土手まで運び上げると、子どもたちは大喜びで拍手を送った。
数日後、大水は引き、川はまた静かな流れに戻った。
それからも、ごんごの助は子どもたちの遊びを、遠くから見守るようになった。さくらはきゅうりを忘れずに持って行き、ごんごの助に渡してやった。こうして、ごんごの助は町の子どもにも大人にも、すっかり慕われるようになったそうな。
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