第5話

丸い飛行物体の内部で、静寂が支配する中、突如として淡い青白い光が装置の中心部から放たれた。

「オリジナルマスターコピー転写フィールド発生機器マイノライザバイオ複写システム」が起動し、その光はゆっくりと雨南の全身を包み込んだ。


最初に捉えられたのは、彼女の身体のあらゆる細部だった。

顔の輪郭、肌の質感、微細な毛穴の凹凸までも、最新のセンサーが高精度にスキャンし続ける。

眉毛一本一本の生え方、まつ毛の長さや柔らかさ、頬の淡い赤みまでが正確にデジタル情報として取り込まれていった。

目の色は透き通るような深い琥珀色。瞳の奥に宿る光の煌めきも、まるでそのまま複製できるかのように読み取られた。


首筋から肩にかけての曲線の滑らかさ、肌の微細なシワや血管の流れまでも捉えられ、胸の形や柔らかさ、骨格の微妙な起伏まで細密に解析されていく。

背中のラインはまるで彫刻のように繊細で、臀部の丸みや筋肉の盛り上がり、足の長さや指先の形状に至るまで、一切の妥協なく詳細にデータ化された。


色彩もまた、ただの色コードだけではない。肌の光沢、透明感、微かな赤みや青みの混ざり具合、血流の変化に伴う色の変動まで含めて、複雑に記録されていった。

衣服や装飾品が存在しないその裸の身体は、光に包まれてまるで神秘的な彫刻のように輝き、スキャンされることで、その美しさが一層鮮明に浮かび上がった。


続いて、身体の外殻を超え、精神の領域へとセンサーの焦点は移る。

思考の流れや感情の波動、記憶の断片が細かく解析され、記録装置の中へと吸い込まれていく。

喜びや悲しみ、恐れや希望、幼い頃の淡い記憶や最近の出来事、言葉にできない深層の感情までが、一つ一つ紐解かれるように抽出された。


心の深層にある願望や葛藤、理想と現実の狭間で揺れる思いも、不可視の光の波として可視化され、解析装置に流れ込む。

それはまるで、彼女の内面に広がる繊細な感情の地図が精密に描かれていくかのようだった。


そして最後に、魂と呼ばれる最も不可解な領域にも触れられた。

時間や空間を超えた記憶、存在の根源にある揺るぎないエネルギーの痕跡が微細な波動として捉えられ、解析の光に包まれた。

そこには彼女の命の火花、唯一無二の存在としての証が静かに刻まれていた。


すべてのデータが完璧な調和のもと、システムに入力される。

身体の形状、精神の感情、心の葛藤、魂の輝き──それらは一つの膨大な情報の渦となり、この「オリジナルマスターコピー転写フィールド発生機器マイノライザバイオ複写システム」の奥深くへと吸い込まれていった。


雨南は、まるで自分自身が透明な海の中に漂うかのような感覚を覚え、そして確かな変化の兆しを感じ取っていた。

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