魂闇絆国
第1章 再来の闇
焦げた大地が赤黒く揺れ、瓦礫が戦場に散らばる。
空気は張り詰め、灰と煙が渦を巻く中、誰も次の一手を探っていた。
その時、地を切り裂くような光と共に、四魂――苦川、紅川、蒼川、鳥川が冥川の力によって復活した。
「冥川様、再びお目覚めになられたこと、心よりお祝い申し上げます。」
苦川が低く頭を下げる。声には従者としての忠誠と、抑えきれぬ熱量が混じっていた。
「我ら、この命すべてをもってお仕えいたします。」
紅川の瞳は燃えるような赤で、どこまでも冥川に忠実であることを示していた。
「ご命令のままに、我らは動きます。」
蒼川の口調は力強く、氷の冷たさのような静かな圧を感じさせた。
「冥川様の敵、すべてを撃ち落としましょう。」
鳥川の眼差しは鋭く、誰ひとりとして逃がさぬ決意を宿していた。
七歌は剣を握り、仲間たちを見回す。
「ああ、よし、皆――行くぞ!」
その声には覚悟が篭もっていた。
「七歌さん、皆さん、くれぐれも無理はなさらずに。」
日本は冷静に声をかけ、戦況を見据えていた。
アメリカは拳を握り、にやりと笑う。
「任せろ、みんな。俺たちの力を見せてやるぜ!」
ロシアは低く唸り、鎖を握り直す。
「すべて撃ち抜く……覚悟はできている。」
ドイツは冷静に指示を出す。
「前列は七歌と日本さんで抑え、我々は援護に回る。焦るな。」
イタリアは剣をかざし、陽気に笑った。
「ルーチェ・ディ・パトリアで、一気に行こうぜ!」
フランスは優雅に剣を振るいながら呟く。
「エクラ・ド・グロワール・アンペリアル……お手並み、拝見させていただきますわ。」
モンゴルは太鼓を打ち鳴らし、声高く叫んだ。
「テングリノタイコウ!」
その音が全員の心に火を灯す。
第2章 四魂の襲撃
四魂は、息を合わせるかのように一斉に襲いかかった。
「この世のすべてを、冥川様に!」
苦川が鋭い一撃を繰り出す。
日本は一歩下がりつつも、剣で受け流す。
「苦川……やるな。」
紅川は炎の鎖を振り回し、空気を裂く。
蒼川は氷の槍を投げ、地面を凍らせる。
鳥川は高速で突撃し、仲間たちの隙を狙う。
七歌は剣を高く掲げ、仲間たちを支援した。
「皆、連携を崩すな! 隙を見せるな!」
ロシアは黒王の霊壁を展開し、蒼川の氷槍を跳ね返す。
「来るぞ、後ろを警戒!」
ドイツはヴェルゲーングハイト・パンサークラフトで紅川の炎鎖を打ち砕く。
「援護に回る! イタリア、フランス、前に出ろ!」
イタリアはスパーダ・デル・リソルジメント 〜 ルーチェ・ディ・パトリアで鳥川の突撃を切り裂く。
「この一撃で終わりだ!」
フランスはエクラ・ド・グロワール・アンペリアルで苦川の攻撃を封じる。
「止まれ、これ以上は許さないわ!」
第3章 激闘
戦場は火花と衝撃波で揺れ動いた。
瓦礫が飛び、炎と氷が入り乱れる。
苦川が叫ぶ。
「我らが冥川様の力を見せてやる!」
日本は落ち着いた声で応戦。
「皆、焦るな。攻撃の隙を狙え。」
七歌は覚醒の光をまとい、四魂の動きを牽制する。
その剣閃は七色に輝き、光と闇の境界を切り裂いた。
四魂の連携は驚異的だが、日本チームの連携も負けてはいなかった。
ロシアとドイツが前衛を抑え、イタリアとフランスが援護。
モンゴルは太鼓で攻撃のタイミングを合わせ、全体の士気を高める。
「ここで止めるぞ!」
七歌が叫ぶ。
「お前たちだけには負けられない……仲間を守るために!」
第4章 四魂撃破
戦いは徐々に、日本チームに有利に傾き始める。
まず鳥川が日本の連携攻撃で地面に崩れ落ちる。
「く……くっ……」鳥川の声は消えた。
蒼川も、ロシアとドイツの連携で凍結攻撃に捕まり動きを止める。
「これは……!」
紅川はイタリアとフランスの剣技に翻弄され、炎の鎖を消される。
「な、なぜ……!」
最後に苦川が七歌の一撃を受け、膝をつく。
「冥川様……」
戦場に静寂が訪れる。
倒れた四魂の間を、日本チームは慎重に進む。
「皆、怪我はないか?」
七歌が周囲を確認する。
「はい、大丈夫です。」
日本の落ち着いた声が答える。
第5章 冥川の影
戦場の遠く、黒く揺れる影――冥川は笑みを浮かべていた。
「ふ……面白い、面白いぞ……」
「四魂は倒れたが、まだ始まったばかりだ。」
七歌は剣を握り直し、仲間を見渡す。
「皆、大丈夫か?」
日本は深呼吸し、落ち着いた声で答える。
「はい、七歌さん。皆無事です。」
冥川は戦場を見下ろし、囁くように言った。
「次は……お前たち自身の力が試される番だ。」
戦場は再び静けさに包まれる。
だが誰も油断してはいない。
四魂を倒したことで得た余裕は一瞬のもの。
七歌たちは次なる戦いに備え、剣を握り直した――
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